ロッテ岡田が引退会見、福浦の花束贈呈で涙 「12球団最高のファン」に感謝

福浦から花束を受け取るロッテ・岡田幸文【写真:細野能功】
福浦から花束を受け取るロッテ・岡田幸文【写真:細野能功】

「恩返しもしたい」今後は後進の指導が有力

 ロッテ岡田幸文外野手が26日、ZOZOマリンスタジアムで引退会見を行った。25日に大隣投手とともに引退を発表した岡田は「(ロッテでプロ野球人生を送れたのは)最高の財産。最高の人生だった。ホームランは1本も打てなくても、足だったり、守備だったり、自分に生かせるものがある。12球団最高のファンの中でプレーできたのは幸せ」と語った。

 プロ生活10年間、初打席から2494打席ホームランは1本もなく、初打席に限らない連続打席本塁打無しは、赤星憲広(元阪神)の2528打席に次ぐ2位。2016年10月4日の楽天戦第4打席で三塁打を放って以来、今年7月まで連続57打席無安打は桜井輝秀(元南海)のプロ野球ワースト記録にあと1と迫っていた。「9月に入り、チームの戦力になれないことを意識した。以前なら追いついた打球が追いつけない。ホームランを打てない、得点につなげられない。とにかく失点を防ごうと必死で守った」と岡田は話した。

 作新学院から日大を中退して地元に戻り、全足利クラブでプレー。2008年の育成ドラフト6位でロッテに指名された。夫人は足利市の職員で子供も2人おり、夫人を含めてプロ入りに反対も、2年間やって芽が出なければ、結婚を機に嘱託社員として籍を置いた足利ガスに戻れるという約束をとりつけ、反対を押し切った。プロ2年目の2011年にはシーズン144試合にフル出場。外野手のシーズン359守備機会連続無失策のパ・リーグ記録を樹立した。2011から2年連続ゴールデングラブ賞も獲得し、2014年には年俸も4000万円(推定)台に乗った。

 一番忘れられないシーンを聞かれ「2010年の日本シリーズ。レギュラーでもなかったが、決勝のタイムリー。今でも鮮明に覚えている」。中日との日本シリーズ、2日連続延長にもつれこんだ第7戦の延長12回、右中間に運んで8点目をたたき出した一撃が、5年ぶりの日本一を決めた。レギュラーシーズン3位から勝ち上がった「史上最大の下剋上」を完結させたのは、間違いなく岡田の一打だった。

 会見の最後には、2000本安打を達成した福浦和也内野手からサプライズで花束を贈られ、涙腺が緩んだ。今後については「(ロッテに)恩返しもしたい」。選手会長も2年つとめており、来季からは指導者として第2の野球人生を歩むことになりそうだ。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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