9年で6回胴上げを見せられた西武 積年の屈辱晴らす本拠地Vなるか

優勝へのマジックを1とした西武【写真:荒川祐史】
優勝へのマジックを1とした西武【写真:荒川祐史】

2009年、日本ハムに眼前でVを決められてから、屈辱の歴史が始まる

 西武が優勝へのマジックを1とし、10年ぶり20度目の優勝が目前となっている。9年間優勝なし、というのは1979年の所沢移転後最長ブランクで、この間に3度の監督交代、3年連続を含む4度のBクラスなど、かつて黄金時代を築いたライオンズにとっては雌伏の時となった。特にこの間、8度も他球団の優勝決定に関わり、胴上げを目撃しているという事実は屈辱以外の何物でもない。

 西武の本拠地・西武ライオンズ球場(当時)でパ・リーグの他球団が優勝を決めたのは1995年のオリックスが初。それまでパ・リーグ5連覇を果たしていた西武は地元で初めて、相手の胴上げを目の当たりにする屈辱を味わった。ただ、1997年、1998年に連覇を果たすなど、着実に好成績を残したこともあり、その後しばらく、相手の歓喜を目撃することはなかった。

 潮目が変わったのは渡辺久信監督の下、13度目の日本一に輝いた翌年の2009年だった。この年の西武は救援陣がふるわず、優勝争いから早々に脱落すると、クライマックスシリーズ(CS)争いでも苦戦。Bクラスが確定した10月6日、札幌ドームで日本ハムにサヨナラで敗れ、14年ぶりに目の前での胴上げを許した。

 これをきっかけに、2009年から2017年までの9年間、パ・リーグ優勝決定には“西武がほぼ関係する”という事態が起きる。

2009年:札幌Dで日本ハムにサヨナラ負けを喫し、目の前で日本ハムの優勝が決定
2010年:札幌Dで日本ハムにサヨナラ負け。試合中だったソフトバンクの7年ぶり優勝が決定
2011年:西武Dでソフトバンクに敗れ、ソフトバンクの連覇が決定。さらに、CSファイナルSでもヤフーD(当時)でソフトバンクに3連敗を喫し、胴上げを目撃
2012年:西武Dでロッテに敗れ、試合のなかった北海道日本ハムの3年ぶり優勝が決定
2013年:西武Dで楽天が西武を下し、創設9年目で初優勝
2014年:優勝決定には関わらず
2015年:ヤフオクDで敗れ、ソフトバンクの連覇が決定
2016年:西武プリンスD(当時)で日本ハムが西武に勝ち、4年ぶりのリーグ優勝
2017年:メットライフDでソフトバンクが勝ち、2年ぶりリーグ優勝

 現在の西武を引っ張る主将・浅村栄斗内野手は2013年、秋山翔吾外野手は2015年にそれぞれ最後の打者に。また、外崎修汰内野手は2016年に最後の打者となったが、翌年は9回2死から安打を放って「2年連続最後の打者」という汚名を回避している。9年間、苦汁を飲まされ続けた若獅子たち。果たして10年ぶりの歓喜の瞬間はどのような形でやってくるのだろうか。

【動画】眼前で胴上げを見続けた悔しさがあるからこそ“今”がある…西武が見続けた胴上げ集

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