埼玉・東農大三、20年ぶり関東大会出場 高広監督は感動「こみ上げてきた」

秋季埼玉大会準決勝の結果
秋季埼玉大会準決勝の結果

立教新座に快勝、関東大会では「埼玉代表として恥ずかしくない戦いを」

 秋季埼玉県高校野球大会は6日、県営大宮球場で準決勝が行われ、ともにノーシードの東農大三が立教新座を6-2で下し、8日の決勝で初優勝を懸けて春日部共栄と対戦することになった。決勝進出と来春の選抜大会出場への関門である関東大会(10月20-23、27、28日・山梨県)出場は、いずれも20年ぶり4度目。

 前日の準々決勝で、すっかり埼玉の強豪にのし上がった山村学園に6-5で逆転勝ちした勢いをそのまま持ち込んだ。

 2点リードの4回に1点を返されたが、相手の守りのミスを見逃さず、5、6、7回で計4得点して突き放し、先発の井口真之介を援護。8回に1失点すると背番号1の左翼手・飯島一徹を送り込んで逃げ切った。

 試合直後の高広聖也監督の目は少し腫れていた。「ええ、そうなんです。全校応援の中で勝てましたし、こみ上げてきました」。同校野球部OBでもある30歳の指揮官は、就任4年目で大きな仕事をやってのけた。自身が高校でレギュラーだった頃、春季大会のベスト16が最高成績だから、教え子は先輩の戦歴をはるかに超越したわけだ。

 最後の打者を打ち取るまで、ベンチの中でそわそわしていたそうだ。選手にとって初の準決勝に加え、学校をあげての手厚い支援。さらに立教新座が準々決勝で4点差を9回にひっくり返し、Bシード聖望学園に7-6でサヨナラ勝ちしたことも鼓動が高鳴り続けた3つの要因だという。

 高広監督は「立教新座さんの昨日の勝ち上がり方を見ると、何点取っても怖かった」と正直に告白した。それでも競争意欲を高めるため、この秋から投手に転向させた井口、エースナンバーを背負う飯島の頑張りで夢の決勝進出と関東大会出場を果たした。

 関東大会には過去3度挑戦したが、選抜大会出場の目安であるベスト4には届いていない。同監督は「北部地区として、埼玉代表として恥ずかしくない戦いをしたい」と眼鏡の奥の瞳を輝かせた。

(河野正 / Tadashi Kawano)

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