「このまま終われない」―血マメで乱調&降板の西武菊池、中4日で第6戦先発も

西武・辻監督【写真:福谷佑介】
西武・辻監督【写真:福谷佑介】

大敗で初戦を落とす、辻監督も「もちろん行かなきゃいけないでしょう」

■ソフトバンク 10-4 西武(17日・メットライフ)

 クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが17日、メットライフドームで開幕。リーグ覇者の西武は、エース・菊池雄星を先発に立て、ファーストステージを突破してきた2位ソフトバンクを迎え撃ったが、その菊池の乱調で4-10で大敗。初戦を落とした。

 苦手は克服できていなかったのか。もしくはこれが勝ち上がってきたチームの勢いなのか。「彼の全力を出し切れば十分に勝てる」と、辻監督に送り出された菊池。初回、4番・柳田に「得点圏にランナーがいたので、勝負に行った」(炭谷)インコース高めのストレートをうまく捉えられ、先制点を与えてしまう。

 続く2回、先頭打者・中村晃に二塁打を許したものの、その後は粘りのピッチングを見せ、2、3回を無失点。しかし、立ち直ったかに見えた菊池にアクシデントが起こる。「ちょっと指がおかしかったよね。血マメができていたから」(辻監督)。試合中、菊池の指に血マメができ、4回には、はっきりと指先を気にする仕草を見せ始めた。

 試合後、捕手の炭谷は「それぞれのボールは良かったんですが、コースがばらついていて、ちょっと心配というのはありましたけど、1回から3回までは問題なかった。それが3回くらいから、スライダーの曲がりがばらつき始めて、4回には血マメの影響もあって。コントロールは、ここ最近で一番悪かった」と振り返った。

 制球のきかない状態で2死を取ったまでは良かったが、8、9番の下位打線を抑えきれず2死満塁のピンチで1番・川島。「左投手のストレートは、ホームランになることがある」(炭谷)と、選択したスライダーを捉えられ、逆転打を浴びてしまった。血マメの影響で「スライダーが曲がらなかったから」と辻監督は語ったが、エースは「それは関係ない」と責任を一身に背負った。

 その後、連打を浴び4回に一挙5失点。結局、5回6失点と試合を作ることはできなかった。

 指揮官は「もちろん行かなきゃいけないでしょう。指の状態は心配だけど、あれだけ気合が入っていたんだから。不完全燃焼でしょ」と中4日、第6戦での登板を示唆すれば、「僕自身もこのままじゃ終われない。もう一回行きたい気持ちが強い」と菊池自身も雪辱への強い気持ちを語った。

 エースを立てての初戦敗戦。しかし、辻監督に焦りはない。「まだ1勝1敗。さあいよいよ明日からガチンコ勝負。点を取られても、ホームランでしたが1点取り返した。そういう野球をしておけば、明日にもつながる」。アドバンテージの1勝があるため、勝敗は1勝1敗。まだ戦いは始まったばかりだ。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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