崖っぷちアストロズ、指揮官は“幻の一発”へ不満漏らさず「私は審判ではない」

“幻の本塁打”を放ったアストロズのホセ・アルトゥーベ【写真:Getty Images】
“幻の本塁打”を放ったアストロズのホセ・アルトゥーベ【写真:Getty Images】

2点差敗戦で1勝3敗、観客の“妨害”には「アルトゥーベが誰よりも大きな代償を払った」

■Rソックス 8‐6 アストロズ(日本時間18日・ヒューストン)

 アストロズは17日(日本時間18日)、本拠地でのリーグ優勝決定シリーズ第4戦でレッドソックスに6-8で敗れた。1勝3敗と崖っぷちに追い込まれ、2年連続の世界一に“黄信号”。初回には、ホセ・アルトゥーベ内野手のホームラン性の当たりを捕球しにいったムーキー・ベッツ外野手に対して、スタンド最前列に座っていた観客の“妨害”があったとして右飛になるという不運な判定もあった。だが、AJ・ヒンチ監督は「私は審判ではないから」と判定への不満を漏らすことはなかった。

 アストロズの2点ビハインドで迎えた初回の攻撃だった。1死一塁でアルトゥーベが先発ポーセロからライトへの大飛球を放つと、右翼のベッツが猛然と打球を追った。誰も触らなければ飛距離十分、フェンスオーバーという当たり。しかし、ベッツがフェンス際で懸命にジャンプ。すると、スタンド最前列で捕球しようとしたファンの手とグラブが接触。ボールはベッツのグラブ、ファンの手にも当たってグラウンド内にこぼれ、アルトゥーベは二塁で止まった。

 スタジアムが騒然とする中、ビデオ判定になり、ファンが捕球を妨害としたとして右飛でアウトという結果に。アルトゥーベは不満げな表情でダグアウトへと戻り、ヒンチ監督も説明を求めに飛び出したが、執拗な抗議はしなかった。驚異的な守備力を誇るベッツは確かに落下地点にグラブを差し出していたようにも見える。グラブは閉じていたが、その前にファンと接触していた。

 結果的に2点差で敗れたアストロズ。この打球が2ランとなっていれば……。アストロズとしては、そんな“たられば”を考えたくなるシーンだった。

 試合後、このプレーについて聞かれたヒンチ監督は「あなたは私がどう感じたと思いますか?」と“逆質問”した後に「ファンが妨害している姿を見た。これまでにも何度か見たことがある」と回答。そして、「ホセは誰よりも大きな代償を払った。なぜなら打球の軌道からすると、フェンスを越えていくように見えたからだ。けれども、ムーキーは素晴らしいアスリートだから、彼が精一杯ジャンプすれば観客の中でも素晴らしいキャッチをしていただろうと考えることもできる」と続けた。

あと1敗で敗退「これこそが追い詰められた状況」

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