CS突破の鷹・工藤監督「ここで喜んではいない。日本一になって本当の喜び」

会見でのソフトバンク・工藤公康監督【写真:福谷佑介】
会見でのソフトバンク・工藤公康監督【写真:福谷佑介】

初回にグラシアルが決めた意表つくバントに「ビックリした」

 ソフトバンクが3連勝で、2年連続18度目の日本シリーズ進出を決めた。21日、敵地メットライフドームで行われた「パーソル クライマックスシリーズ パ」第5戦。初回に柳田が走者一掃の適時二塁打を放って3点を先制。6回にも柳田がソロ本塁打を放って勝利を掴んだ。試合後、工藤公康監督は「今はホッとしています。日本シリーズへの挑戦権を争う試合で勝つことができて、よくやったと選手たちを労ってあげたい」と安堵の表情を浮かべた。

 強烈な先制パンチを食らわせた。初回、上林の二塁打、明石の死球で無死一、二塁とすると、グラシアルが意表を突く犠打。「ビックリした。まさかと」と指揮官も驚く、キューバ人助っ人が自身のとっさの判断で決めたバントは内野安打となり、無死満塁の絶好機が出来上がった。ここで4番柳田が左中間へ走者一掃の適時二塁打を放って、いきなり3点を先制した。

 柳田は1点差に詰め寄られた6回には先頭で打席に入って右翼スタンドへのソロ本塁打。この日2安打4打点と大暴れし、指揮官も「素晴らしいバッティングをしてくれた。さすが4番だと思います」と絶賛。先発に抜擢されたドラフト2位ルーキーの高橋礼は3回まで西武打線をパーフェクトに封じ、5回途中2失点で降板したものの、「自分の持っている力を出してくれた。期待以上でした」と指揮官も称賛する好投だった。

 「今日は勝っていたら、全員で取りに行こうと思っていた。千賀くんにもブルペンに入ってもらっていたし」。5回途中からモイネロ、石川、加治屋、森と勝利の方程式をつぎ込み、逃げ切った。リーグ優勝こそ逃したものの、日本一に輝いた昨季に続き、2年連続の日本シリーズ進出を決めた。

 試合後、宿舎に戻って行われた記者会見では「悔しさだけでなく、絶対に勝って日本シリーズに出るんだという思いが勝利に繋がった。全員が同じ気持ちでファースト、ファイナルと戦ってくれたのが、何より勝てた要因だと思う」と振り返った指揮官。「反省するところは143試合考えると、たくさんあった。あれこれ言っても長くなるだけなんで、ただ、みんなが悔しい思いを持ってくれたことが1番だと思っている」とした。

「我々は日本一を目指してやってきている。ここで喜んでいるわけじゃなく、日本一になって本当の喜びになる。パ・リーグの代表として、しっかりとした戦いをやらないといけない」と工藤監督。27日からセ・リーグ3連覇を飾った広島と、2年連続日本一の座をかけて戦う。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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