【日本S】ホークス野手全員使い切る総力戦 ドローも工藤監督「この引き分けは大きい」

ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】

4回2失点で千賀を降板させ、そこから6投手で無失点リレー

■広島 2-2 ソフトバンク(27日・マツダスタジアム)

 死力を尽くした引き分け決着だった。27日、敵地マツダスタジアムで幕を開けた日本シリーズ。2年連続の日本一を目指すソフトバンクは先制を許したものの、5回に同点に。野手全員を使い切る総力戦の末に、敵地で引き分けに持ち込み、試合後、工藤公康監督は「この引き分けは大きいと思います。明日に繋がる引き分けだと思います」と語り、ドロー決着をプラスに捉えた。

 敵地で始まった頂上決戦。初回、先発の千賀が菊池にソロ、松山に適時打を浴びて、いきなり2点を失った。打線も広島先発の大瀬良に4回までノーヒットに抑え込まれた。反撃は5回。先頭の中村晃、続く内川が連打で無死一、三塁のチャンスを作った。西田、甲斐が相次いで内野ゴロに倒れて2死二、三塁となると、千賀に打順がまわり、ここで指揮官は代打にデスパイネを送った。

「自分の中でもあそこが勝負だと思った」。2回以降は立ち直り、好投していた千賀をスパッと代えた。デスパイネは二遊間への内野安打。あらかじめ深めの守備位置を取っていた名手・菊池がキャッチし、すぐに送球したものの、これを一塁の松山が捕球できず。松山のグラブの下を抜けていったボールがファウルグラウンドを転がる間に、二塁走者の甲斐まで生還。試合を振り出しに戻した。

 5回からはリリーフ陣が無失点リレー。2番手の武田、3番手の石川、5番手の加治屋はそれぞれ2イニングを封じた。7投手のリレーで広島の攻撃を封じ込み、初回以降は得点を与えなかった。初戦の勝利こそ逃したものの、真っ赤に染まった敵地で引き分けに持ち込めた意味は大きかった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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