オリックスの剛腕がプロ7年間で見せた功績 輝きは一瞬も、記憶に残るマウンド

現役引退が発表されたオリックス・佐藤達也【写真:荒川祐史】
現役引退が発表されたオリックス・佐藤達也【写真:荒川祐史】

13、14年と2年連続で最優秀中継ぎのタイトルを獲得した佐藤達也

 今から4年前、2014年シーズンのこと。オリックスの佐藤達也投手は豪速球を武器に奪三振を量産し、リーグ最強の中継ぎ右腕として圧倒的な存在感を放っていた。あれから4年。佐藤達は今季、一度も1軍での登板機会を得られず、今オフにユニホームを脱ぐ決断をしている。太く、短く、ファンの記憶に残った7年間のプロ野球人生。観る者に大きなインパクトを与えた、佐藤達の活躍をいま一度振り返っていきたい。

 大学時代にもプロ志望届を提出したものの指名漏れを経験し、卒業後に入社したHondaで主力投手として奮闘。その活躍が認められて2011年のドラフト3位でオリックスから指名を受け、晴れてプロ野球の世界へと足を踏み入れることになった。

 プロ1年目の2012年に14試合に登板して防御率3.43という成績を残すと、翌年には持ち前の速球を武器に大ブレイクを果たす。67試合に登板して防御率1.73と安定感抜群のピッチングを披露し、78イニングで奪った三振は88個。奪三振率は10.15に達し、並み居るプロの好打者たちを力でねじ伏せた。

 このシーズンには42ホールドポイントを積み上げて自身初タイトルとなる最優秀中継ぎ投手賞にも輝き、一躍リーグを代表するリリーフ投手の座へ上り詰めた。しかし、全国のファンがこの剛腕の真価を目撃するのはまだこれからだった。

 3年目の2014年。ピッチングは凄みを増し、優勝争いを繰り広げたチームを力強くけん引する存在に。平野佳寿、比嘉幹貴、馬原孝浩、岸田護、マエストリといった面々が構成する強力なリリーフ陣がこのシーズンのオリックスの最大の強みだったが、安定感はこの中でも随一だった。

 前年と同じ67試合に登板し、防御率は1.09という驚異的な数字。74.1回で85奪三振、奪三振率10.29と投球内容も前年と同様に素晴らしいもので、42ホールドにリリーフでの6勝を加えた48ホールドポイントを記録し、2年連続となる最優秀中継ぎ投手の栄冠も手にした。年間を通じて喫した失点は11、自責点に至ってはわずかに9と、セットアッパーとしての役割を全うし続け、チームの躍進に大きく寄与した。

2年連続タイトルの代償は大きく、その後は故障続きに

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