「嬉しかったね」―台湾の国際親善試合でロッテ井口監督が挙げた意外な名前

2年目の島もアピール「みんなそれぞれが秋季キャンプの成果を見せてくれた」

 それでも6月8日、イースタン・リーグの楽天戦(ロッテ浦和)で復帰すると2軍で今季、12本塁打。守っても本職のサードだけではなく、出場機会を増やすためセカンドにも挑戦。一塁、外野を含む4ポジション(ファームでは一塁守備なしも、Lamigoとの試合で守った)を守り分ける器用さを見せた。今季は残念ながら1軍昇格の機会に恵まれなかったが、指揮官はその悔しさを痛いほど感じ取っていた。秋季キャンプでの強烈なスイングには魂がこもっていた。そして迎えたこの日の1軍首脳陣の前での実戦。チームで唯一の猛打賞で強烈アピール。その心意気が何よりもうれしかった。

 投手では2年目の島の名前を挙げた。ルーキーイヤーの昨年は2軍で3試合、1回2/3を投げて8失点で防御率は43.20。フォームに悩み、制球難に苦しんだ。一度、すべてをリセットして一から取り組み直した今年。春季キャンプではキャッチボールとシャドーピッチングなどを繰り返し、原点回帰した。

 長らく実戦からも遠ざかっていたが、今季は2軍で11試合に登板した。11回2/3を投げて防御率10.80と数字には出なかったが、威力あるストレートにはどこまでも広がる未来が見えた。

 そんな苦難の日々を乗り越えてのマウンド。7回に4番手として登板すると、1イニングを被安打1、無失点で抑えた。最速146キロのストレートは一塁側ベンチで見守る井口監督にも威力あるものに感じ取れた。何よりもコントロールに苦しみ、真っ暗闇の中から駆け上がってきた若者の堂々たるマウンドさばきがうれしかった。3年目となる来季に飛躍の予感を感じ取った。

「みんなそれぞれが秋季キャンプの成果を見せてくれたと思う。あと2試合もしっかりと見させてもらう」

 井口監督は充実した表情で帰りのバスまでの長い廊下を歩いた。これで台湾一のレベルを誇るLamigoとの交流試合は通算で6勝4敗。敵地での親善試合とはいえ負けるつもりはない。残り2試合も貪欲なアピール合戦が繰り広げられる。

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