現役最高の右打者、鷹・内川聖一を生んだ仁志敏久氏の言葉「考えて野球を」

2000本安打という記録に対する思いを語ったソフトバンク・内川聖一【写真提供:DAZN「Home of Baseball」】
2000本安打という記録に対する思いを語ったソフトバンク・内川聖一【写真提供:DAZN「Home of Baseball」】

翌年、右打者最高打率.378をマーク

 DAZNではオフの新番組「Home of Baseball」の配信を2日から開始。「プロ野球シーズンレビュー」では、今シーズンに様々な記録を打ち立てた選手が、2018年を振り返るインタビューを配信している。打者編では、5月9日の西武戦(メットライフドーム)で史上51人目の2000本安打を達成したソフトバンク・内川聖一内野手にインタビュー。最終回は、18年に及ぶプロ野球人生において、自らの哲学を形作るのに影響を受けた人たちとの出会いについて語った。

 内川の野球人生には、たくさんの“恩師”がいる。「入ってからはまず田代さんに二軍時代にすごく教えてもらいましたし、首位打者とるきっかけ作ってもらった杉村さんですよね。ホークスに来て秋山監督。キャプテンだった小久保さんですかね」横浜(現DeNA)時代の打撃コーチだった田代富雄氏の教えでプロ入り後のバッティングの基礎が形作られ、08年に横浜の1、2軍巡回打撃コーチだった杉村繁氏の教えで大きく成長。ソフトバンクへ移籍した時の監督・秋山幸二氏、ソフトバンクの顔とも言えるスラッガー・小久保裕紀氏……すらすらと名前が挙がったが、内川の中で、一番根っこの野球観というところで影響を受けたのが、仁志敏久氏だという。

 仁志氏は、内川がまだレギュラーに定着しきれていなかった2007年に巨人から横浜に移籍加入。当時のエピソードを、内川は明かしている。

「考えて野球をやりなさいって言われてたんです。僕、何を考えていいのかわからなかったんですけども、仁志さんにそれを話した時、『そのプレーが終わった時に自分がどういう風にしようとしてこうなったのか、どうすればよかったかということを説明できないと、考えていることにならないでしょ?』と言われて、それを聞いた時に、『考えるってそういうことなんだ』って思ったんですよね」

 ひとつひとつのプレーに意図を持ち、それが説明できるような動きをし、検証を行うこと。仁志の明快な説明は、内川の意識の中でストンと腑に落ちた。「話の中で、打席の中で考えることの意味っていうのを分かってきましたし、そのぐらいから徐々に結果が出たしたっていうのはありますね」内川が.378というNPB右打者の最高打率を残し、首位打者を獲得したのは、その翌年の08年だ。

2位からの日本一に物足りなさ レギュラーシーズンも優勝したい

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