スタンカ、サファテら投手陣に数多くの名助っ人…ホークスの歴代外国人

ソフトバンクのデニス・サファテ【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのデニス・サファテ【写真:藤浦一都】

スタンカは6年間で94勝、サファテは5シーズンで180セーブ

 すでに1200人になろうとしているNPBの外国人選手。球史に残る選手も数多く出ている。今回は戦前からプロ野球に参加した南海、ダイエー、ソフトバンクで活躍した外国人選手について振り返ろう。

○南海、ダイエー、ソフトバンクの外国人選手の安打数10傑。()は実働期間

1ハドリ 727安打(1962-1967)
2バルデス 556安打(2001-2004)
3ズレータ 464安打(2003-2006)
4ジョーンズ 435安打(1970-1973)
5メイ 431安打(1978-1981)
6ブレイザー 371安打(1967-1969)
7ピート 344安打(1961-1963)
8バナザード 335安打(1988-1990)
9李大浩 314安打(2014-2015)
10カールトン半田 312安打(1958-1961)

○本塁打数5傑
1ジョーンズ 132本塁打(1970-1973)
2ハドリ 131本塁打(1962-1967)
3ズレータ 122本塁打(2003-2006)
4バルデス 86本塁打(2001-2004)
5メイ 70本塁打(1978-1981)

○勝利数10傑
1スタンカ 94勝(1960-1965)
2ホールトン 42勝(2008-2011)
3バンデンハーク 39勝(2015-)
4スタンリッジ 28勝(2007-2008、2014-2015)
5ラジオ 23勝(2000-2002)
6サファテ 15勝(2014-)
7サディナ 12勝(1959-1960)
8ペドラザ 11勝(1999-2002)
9ファルケンボーグ 10勝(2009-2013)
9劉瀬章 10勝(1938-1940)
9ガトームソン 10勝(2007-2008)
9タネル 10勝(1991-1993)

○セーブ数5傑
1サファテ 180セーブ(2014-2018)
2ペドラザ 117セーブ(1999-2002)
3ファルケンボーグ 44セーブ(2009-2013)
4シグペン 20セーブ(1994-1995)
5ホセ 17セーブ(1996-1997)

 南海ホークスは1938年に職業野球に参加、戦後、鶴岡一人監督が就任し、黄金期を迎える。1989年にダイエーホークスとなり、2005年から現在のソフトバンクホークスとなる。ホークスは野村克也、松中信彦と2人の三冠王を輩出。その他にも門田博光、広瀬淑功、現在の柳田悠岐など強打者が出ている。

 長きにわたって日本人の強打者がいたこともあってか、外国人打者の実績はさほど際立たない。最多安打は、昭和中期のケント・ハドリ。野村克也と中軸を組み、外国人選手初の100本塁打を記録。日本の生活に溶け込み「ケンちゃん」と呼ばれた。戦力外となり日本を離れるときは、伊丹空港まで鶴岡監督が見送り涙を流したと言われている。

 最多本塁打はクラレンス・ジョーンズ。カブスから1970年に南海入りし、在籍した4シーズン連続で30本塁打超を打つ。しかし、4シーズンのうち3シーズンで打率は.250以下、3度も三振王になっている。当時の野村監督は確実性がないとして放出したが、ジョーンズは近鉄に移って1年目に本塁打王になった。現役ではキューバ出身のデスパイネが、222安打64本塁打しているのが最多だ。

 打者とは対照的にホークスは外国人投手に活躍した選手が多いチームだ。その筆頭がジョー・スタンカ。MLBではわずか1勝だったが、南海では杉浦忠と並ぶエースとして活躍。1964年には26勝を挙げてMVPに輝いている。今年10月に87歳で死去した。10勝を挙げている劉瀬章は、NPB唯一の中国国籍のプロ野球選手だ。

 リリーフでは現役のデニス・サファテが目覚ましい活躍。2011年に広島に入団。西武を経て2014年にソフトバンクに入団してからは、絶対的なクローザーとして活躍。2017年にはNPB記録となる54セーブを挙げて、MVPに選ばれた。1999年から4シーズン投げたロドニー・ペドラザもセーブ王を2回獲得している。

 サファテは今季、故障で早々に離脱したが、ホークスの外国人は他にもバンデンハーク、ミランダと、投手に良い人材が集まる傾向が今もあるように感じる。3年連続の日本一を目指す来季、助っ人たちの働きはどうなるだろうか。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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