ヒルマン氏が語る日韓の野球の違い 独自スタイル築く日本、MLB流の韓国

アジア野球の特徴は監督の強い権限、生え抜き尊重、監督と選手の関係

 日韓に共通する“アジア流”についても、ヒルマン氏は記事の中でいくつか特徴を挙げている。

 まず、チーム編成を決めるフロントと、フロントの集めた選手を使って戦う監督の立ち位置がはっきり分かれているMLBに対し、日韓では監督がさらに大きな権限を持っていること。「監督は食物連鎖のトップなんだ。自分のしたいように物事を進められる」と話している。

 第2に、生え抜きのベテランを尊重すること。「アジアの文化では、日本も韓国も、ベテランの能力が少し衰えても、精神面を重んじてチームに残し、輝かしい時代に思いを馳せる傾向にあった」という。

 そして第3に、監督と選手のコミュニケーションがあまり盛んではないこと。「KBOとNPBは両方とも、選手たちは監督と直接たくさん話すことに慣れていないんだ。自分がどのような監督かを説明し、彼らには快適に感じてほしかった」と、ヒルマン氏は日本でも韓国でも、威厳ある姿を見せるよりも、親しみやすく信頼を得るよう明るくふるまい、積極的に話しかけるよう心掛けていたことを明かしている。

 ヒルマン氏は、インタビューの最後にこうコメントした。

「どこにいようが、どのチーム、どのレベル、どの国であろうが、本当に関係ない。チャンピオンになることを目標としたら、ニューヨーク・ペンリーグ(米マイナーリーグの1つ)のチャンピオンシップを制覇することと、NPB、KBOのチャンピオンシップを制覇することは、本当に同じくらいにワクワクすることなんだ」

 日本シリーズ、韓国シリーズを制覇しているヒルマン氏だが、唯一手にしていないのがワールドシリーズのチャンピオンリングだ。インタビューは、こんな記述で締めくくられている。

「MLBのチャンピオンシップ(ワールドシリーズ)は少しだけいいものかもしれない。現時点で、ヒルマンはそれを知らないからである。しかし、近いうちに、天に導かれるか全くの偶然かは分からないが、彼はその答えを知ることになるのかもしれない」

(Full-Count編集部)

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