今オフのエンゼルスは方針転換? “お手軽価格”の選手中心の補強戦略へ

創造的破壊より財政面の強化と若手育成に重点

 また、今オフは正捕手マルドナード、控え捕手リベラまでトレードで放出した捕手陣の強化を図っており、ドジャースからFAとなった強打の捕手ヤスマニ・グランダルに照準を定めていると言われている。グランダルは単年1790万ドル(約19億9000万円)のクオリファイング・オファーを拒否してFAになっており、獲得したチームは2019年のドラフト指名権を1つ失う。

 さらに、記事ではフリオ・テヘラン(ブレーブス)、ソニー・グレイ(ヤンキース)といった、近年成績が下降気味ながら実力は持っている右腕に触手を伸ばす可能性に言及。この2人は2019年まで契約が残っているが、FA前にトレードされる公算は強いと見られており、もしエンゼルスが獲得したとしても「金銭面やプロスペクト放出という点から、それほど負荷とならないだろう」としている。

 エンゼルスは傘下のマイナーでもプロスペクト不足だと言われており、それも大物選手を獲得しては有望株を放出してきた負の遺産。今回の補強は、金銭面でも若手育成の面でもチームに負担とならないものが多く、記事では「やっとかすかな望みが見られる」としている。

 エンゼルスがトラウトの契約切れまでにワールドシリーズを戦えるチーム作りを急いでいることは明らかだが、補強戦略についての見方は様々。この記事では肯定的な見方をしているが、米スポーツ専門局「ESPN」公式サイトの名物コラムニスト、バスター・オルニー氏は「中途半端」とバッサリ。マリナーズやマーリンズのように一度チームを解体し、トラウトには数年後の優勝争いを目指す明確な再建ビジョンを提示して残留に全力を挙げるべきとしている。

 創造的破壊によるチーム再建か、お手頃選手の獲得によってチームを維持しながら、若手の成長を促すソフトランディングか。2019年のエンゼルスは後者を選択したようだが、果たしてどんな結果が出るだろうか。

(Full-Count編集部)

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