クリエイティブな契約と異例起用法―マリナーズが菊池雄星を獲得できた理由
リフレッシュデーを設ける起用法も「勝因」に
このアリエッタの変則契約が「キクチの契約の基盤となった」と記事では指摘。菊池に保証されたのは3年契約だが、マリナーズがオプションを行使すれば4年契約を延長できる。一方で、球団がこのオプションを行使しなければ、菊池は1年の契約延長を選択することが可能。つまり、最長7年契約となる。記事ではディポトGMの「球団と選手双方にメリットのある契約だ。(キクチを)7年間確保することもできる」とのコメントを紹介している。
同メディアが2つ目に挙げたのはマリナーズが提示した2019年の菊池起用法だ。菊池は1年目から先発ローテとしての活躍が期待されるが、若手有望株のシェフィールドやダン、昨季ブレークしたゴンザレスらで構成されるであろう20年以降はより重要な投手となると位置付けられている。チームは厳格なイニング数の制限などを設けないものの、マイナーからメジャー昇格を目指す投手に使われる起用法を約束。具体的には6試合に先発したのち、1試合では“オープナー”のように先発で1イニングだけを投げるリフレッシュデーのようなものを設ける起用プランだ。
これまで松坂大輔やダルビッシュ有、大谷翔平ら多くの日本人投手が滑りやすいとされるメジャー球や硬いマウンド、短い登板間隔などで故障や手術に悩まされてきた。同メディアは菊池に提示された異例の起用法が契約を結ぶ勝因になったと分析し、「主力を放出して2019年に全くメジャーでプレーしないかもしれない選手たちを獲得し、昨季89勝した25人枠が解体された激動のオフにおいて、キクチと契約する決断は初見では不思議に見えるかもしれない。しかし、シアトルのクリエイティブな契約について少し深く考えると、(菊池とチームの)成長プランは理にかなっていることがわかる」と締めくくっている。
記事では、ディポトGMの「我々は多くの若手選手たちがメジャーレベルに成長する2020年に焦点を当てている。(菊池も)その1人だ」というコメントも紹介している。将来も見据えられた中で、菊池がルーキーイヤーにどのような投球を見せるのか。まずはステップアップのシーズンにしたいところだ。
(Full-Count編集部)