【中村紀洋の目】プロ入りした高卒ルーキーたち、木製バットにどう対応すればいい?

現在は野球の指導なども行っている中村紀洋氏【写真:岩本健吾】
現在は野球の指導なども行っている中村紀洋氏【写真:岩本健吾】

根尾や藤原ら金の卵がプロ入り、バット選びも重要に

 新年あけましておめでとうございます。今年も「N’s method」で高校生、中学生、小学生と子供たちを中心に教えることを中心に活動していきたいと考えています。

 指導者の役割は非常に重要です。子供たちは無限の可能性を秘めていますが、その才能を伸ばせるかどうかは指導者の教え方でまったく変わっていきます。僕も教えることで日々勉強させてもらっています。「N’s method」で指導を受けてよかったと1人でも多くの方に思っていただけるように頑張りたいと思います。今年もよろしくお願いします。

 プロ野球は新人合同自主トレが始まりましたね。ともに大阪桐蔭で中日に入団した根尾昂選手、ロッテに入団した藤原恭大選手など金の卵たちが注目されています。高卒の選手たちがプロで成功するカギの一つが木製バットへの対応力だと思います。

 個人的な話になりますが、僕は渋谷高で3年夏に大阪府予選で敗退した次の日から木製バットで練習していました。当時は社会人野球が金属バットを使用していた時代でしたが、大学、プロ野球は木製バットです。金属バットは上半身の力を使ってミートすれば反発力で飛んでいきますが、木製バットは違います。下半身を使ってしっかり振り切らないと打球が飛びません。僕はプロに行きたかったので、高校野球を終えて木製バットを使う時はワクワクしていました。

 早い段階で木製バットを使っていたので新人合同自主トレ、春季キャンプで戸惑うことはありませんでした。ただ、プロの世界は甘くありません。高校生とは投手の直球のキレ、変化球の軌道がまったく違います。そこで重要なのは対応力です。打席を積み重ねてなぜ打てなかったのか、何を修正すればいいのか考えなければいけません。僕は長距離打者として勝負したい思いがあったので、そのスタンスだけは見失わず勝負したいと練習を重ねていました。

 また、バット選びも重要です。重量、グリップの形状、重心の位置など様々です。近鉄時代に先輩の方々からバットを貸していただき、自分に一番合うバットを模索していました。当時は8種類のバットを使っていましたね。「これだ」と1つのバットに絞り込んだのはプロ入りしてから数年後です。新人の選手たちが色々な形状のバットを試してみることは悪いことではないと思います。

 ミート中心の中距離打者、本塁打を打ちたい長距離打者を目指すかによっても使うバットは変わってきます。1人でも多くの新人選手が自分に合うバットを見つけて、素晴らしいプロ野球人生を送ってほしいですね。

文/構成 インプレッション・平尾類

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