引退の元中日ジー、“663位指名”からの活躍に称賛の声「素晴らしい野球人生」

昨季まで中日に在籍していたディロン・ジー【写真:荒川祐史】
昨季まで中日に在籍していたディロン・ジー【写真:荒川祐史】

32歳の若さで現役引退「彼は比較的若くして引退することになるけれども…」

 昨季、中日に在籍したディロン・ジー投手が28日(日本時間29日)に自身のインスタグラムで現役引退を表明した。4月下旬に右手の血行障害を訴えて離脱し、手術のため米国に帰国していたが、32歳の若さでユニホームを脱ぐことに。米メディアは、ドラフト下位指名からメジャーで成功を収めた右腕の功績を称えている。

 ジーはインスタグラムで家族らへの感謝を綴り、「私にチャンスを与えてくれたメッツ、ロイヤルズ、レンジャーズ、ツインズ、そして中日ドラゴンズに感謝しています」とも記した。中日には昨季加入。大きな期待を受けたが、不運な形で4試合登板、0勝3敗、防御率4.00という成績に終わっていた。

 来日前には、メジャーで実績を残した。2010年にメッツでデビューを果たし、翌2011年に13勝をマーク。2013年にも12勝を挙げて、2度目の2桁勝利をマークした。その後はロイヤルズ、レンジャーズ、ツインズと渡り歩きながら成績は低迷したが、メジャー実働8年で通算165試合登板(128先発)51勝48敗1セーブ1ホールド、防御率4.09。特にメッツ時代の活躍は、ファンの脳裏にも刻まれているはずだ。

「ディロン・ジーが引退を発表する」とのタイトルで報じた米最大の移籍情報サイト「MLBトレード・ルーモアズ」では「ジーが担った役割が最も顕著だったのは、彼が最初に所属したメッツ時代の2011年?2014年だった。その期間で、彼は主に球団のローテーションの常連だった。ジーは101試合に登板し、うち98試合は先発としてだった。そして、彼は常にメッツにとって信頼のおける投球を重ねていった」と、そのキャリアを振り返っている。

 2007年のドラフト21巡目(全体663位)という下位指名からメッツでスタートさせたプロ人生。しかし、そこからメジャーの椅子を勝ち取り、結果を残した。記事では「彼は比較的若くして引退することになるけれども、ジーはかなり素晴らしい野球人生を送った。彼は1300万ドル(約14億2000万円)を超える金額を手にした。その金額の多さたるや、ドラフト21巡目の選手のほとんどが稼ぐことができない類のものである」とも言及している。

 2012年には右肩の血栓の手術を受け、2016年シーズン後には胸郭出口症候群の手術も受けた。「MLBトレード・ルーモアズ」は、ジーがそれでも2017年にはレンジャーズとツインズの2球団で防御率3.47を記録したことを特筆。「残念なことに、投手によくあることだが、怪我によって彼はその活躍を継続することを阻まれてしまった」と伝えた。最後も復活を期して日本球団に移籍しながら道半ばでキャリアを終えることになってしまったが、マイナーから這い上がり、成績を称えられるほどの投手としてユニホームを脱ぐことになったジーの功績は色あせない。

(Full-Count編集部)

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