低迷するパドレスの将来が明るい理由 今オフに作った“記録”が話題に

パドレス傘下チームに所属するフェルナンド・タティスJr.【写真:Getty Images】
パドレス傘下チームに所属するフェルナンド・タティスJr.【写真:Getty Images】

プロスペクトの宝庫となっているパドレス

 MLB公式サイトは、牧田和久選手がマイナー契約で所属するパドレスがオフシーズンで作った“ある記録”についてまとめる特集記事を掲載した。

 2006年を最後にプレーオフ出場がなく、昨季は66勝96敗で地区最下位に沈んだパドレス。しかし、パドレスの将来は「ここ2年で確実に良化している」と記事では分析。その理由として、マイナー組織の充実化を挙げている。若手有望株格付けコーナー「MLBパイプライン」の最新ランキングでは、ブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)に次ぐ2位に入ったフェルナンド・タティスJr.を筆頭に、パドレスから計10人のプロスペクト(若手有望株)がランクイン。これについて「パドレスは、このランキングが始まってから初めて10人のプロスペクトが所属する球団」になったと特筆している。

 また、「プロスペクトポイント」でも、新記録を樹立したという。「プロスペクトポイント」とは、1位の選手に100ポイント、2位の選手に99ポイントというように点数をつけ、その合計点数でマイナー組織の充実度を見るもので「パドレスが記録した574ポイント、これは今までで最も高い数字となっている」というのだ。

 プロスペクトは、成長したら主力選手になるという期待とともに、トレードにおいてもその価値を大きく発揮する。MLBでは、主力選手と複数人のプロスペクトのトレードが頻繁に行われるからだ。特に7月のトレード期限前には、シーズンのプレーオフ進出を望めずに翌シーズン以降の巻き返しを目指す球団と、プレーオフに向けて即戦力がほしい球団の需要と供給が一致し、このような図式が成り立つ。パドレスも昨シーズン、守護神のハンドとリリーフのシンバーをワールドシリーズ制覇を狙うインディアンスに送り、対価としてプロスペクトのメヒアを獲得した。プロスペクトは、チーム再建への戦力となるだけでなく、新シーズンでパドレスが快進撃を続けたときに弱点補強の“駒”としても効果を発揮するわけだ。

 課題の投手陣の補強は進んでおらず、今季も苦戦が予測されているパドレス。しかしながら、ここ数シーズンを捧げて獲得したプロスペクトたちが期待通りの活躍をみせることができれば、球団の未来は明るいだろう。

(Full-Count編集部)

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