オリ高卒3年目の山崎颯一郎、1軍デビューへ最も重視する「感覚」
4日に打撃投手50球→ブルペン投球「自分の球が投げられるように」
金子弌大が日本ハム、西勇輝が阪神へ移籍し、先発ローテが不透明となったオリックス。高卒3年目でキャンプ1軍スタートとなった山崎颯一郎投手はアピールを続けている。将来を嘱望される21歳右腕は、あるテーマを持って春季キャンプに臨んでいる。
ブルペンで投げる顔つきと、普段見せるのほほんとした表情には大きなギャップを感じる。これが山崎颯の良さでもある。口を開くといわゆる“天然”とも取られそうな発言が飛び出すが、プロに入ってもその天真爛漫さは変わらない。
16年ドラフト6位でオリックス入りし、昨季まで1軍登板はない。昨季ウエスタンでは20試合登板し、5勝7敗、防御率4.66だったが、投球回100回1/3はチームトップと経験は積んだ。まだ練習でいじられることも多いが、マウンドでの立ち姿はピッチャーらしさ、華麗さもあり、角度のある直球はやはり一級品。昨秋は侍ジャパンU-23代表に選ばれ、日の丸を背負ってマウンドにも立った。プロ入り後に最速149キロをマークするなど伸び盛りの右腕だが、今もっとも大事にしていることは「感覚」だという。
「ストレートを投げる時はフォームを特に意識します。その時に良かった感覚を次にどれだけ残すか。今の状態はそれほど悪くはないと思います」
4日は打撃投手を務め、約50球、打者を相手に“感覚”を磨いた。スライダー、カーブなど変化球を交えての投球だったが、打撃投手を終えてもブルペンに戻り、さらにピッチングを繰り返した。190センチの身長から見ると、85キロの体重の割には下半身がやや細く見える。それでも直球の伸びや力強さは格段にアップしている。
「変化球にしても指のかかりなどの感覚を意識して、自分のボールが投げられるようにしたいです」。ブルペンでは高山郁夫ピッチングコーチが見守る中、牽制球の練習など投球以外の部分も徹底的にチェック。ひとつひとつの動きを見つめていき、山崎颯一郎流の“感覚”を完成させて1軍マウンドをつかみ取る。
(沢井史 / Fumi Sawai)