清原が歴代最多「196」、現役では巨人阿部 今季達成が予想される記録【死球編】
現役では阿部や中島が死球禍に苦しむ
8位の井上弘昭は中日時代の1975年、広島の山本浩二と激しい首位打者争いをしていたが、シーズン最終打席で死球を受けて涙を呑んでいる。10位の田淵幸一は、入団2年目に頭部に死球を受けて昏倒。入院する事態となったが、この時の死球がその後の選手生活に大きな影響を与えたと言われる。
○現役選手 通算死球数10傑
1 阿部慎之助(巨) 148死球(2001-2018)
2 中島宏之(巨) 133死球(2001-2018)
3 糸井嘉男(神) 98死球(2004-2018)
4 渡辺直人(楽) 98死球(2007-2018)
5 福浦和也(ロ) 95死球(1994-2018)
6 青木宣親(ヤ) 90死球(2004-2018)
7 今江年晶(楽) 80死球(2002-2018)
8 中村剛也(西) 78死球(2002-2018)
9 栗山巧(西) 71死球(2002-2018)
10 T-岡田(オ) 67死球(2006-2018)
巨人の阿部は昨年8月29日の広島戦で死球を受けて負傷退場したのが記憶に新しい。中島宏之もたびたび死球禍に悩まされた。
死球は踏み込んで打つ打者の「勲章」ともいえる。投手は、そういう打者をのけぞらせるために内角のきわどいところを狙う。その駆け引きは、野球の魅力の一つではあるが、MLBでは死球による死者が出たケースもあった。NPBでは1994年から、審判が「危険球」で退場を命ずることができるというルールを設けた。死球は根絶することはできないが、打者は「うまくよける」ことで、深刻な事故につながらないように「防衛」することも必要だろう。
NPBでは100死球に達すると達成記録として発表している。阪神の糸井、楽天の渡辺、ロッテの福浦などが達成の可能性があるが、これは喜ばしいとは言えない。死球によるけがのリスクを最大限回避してほしいものだ。
(広尾晃 / Koh Hiroo)