日本ハム、北海道移転15周年ドキュメンタリー公開 映画監督が込めた思いとは?
過去から現在、未来をひとつのシナリオに
――製作にあたり、苦労された点、それをどう乗り越えたかを教えてください。
「結構悩みました(笑)。インタビューで構成するという本作の性質上、そのストーリーの全てが予め決まっているわけではないので、それぞれの想いや時代の変遷、ターニングポイントをどう表現するかで編集をする際にかなりの時間を使いました。
また話を聞いていくなかで、私自身知らなかったことや、新たに発見することが多く、もっと知りたいという思いでどんどんと撮影していく一方で、膨大な素材量になってしまい、何を一番観せるべきかとすごく悩みました。ですが、最終的にはインタビューを受けてくれた方々の「これだけは伝えたい」という熱量の高いものを残すようにました。もしまたこういった(映画製作の)機会があるのなら、また別の視点で作ってみたいですね。過去のスター選手はもちろんですけど、当時の裏方さんやファンの方、そういう方々からももっと取材をしたいという思いはあります」
――本作の始まりと終わりの映像は、どちらも新球場をテーマにされていたのが印象的でした。そこにはどんな意図がありましたか?
「本作はただ歴史を追ったドキュメンタリーではなく、北海道日本ハムファイターズの経営理念である“Challenge with Dream”という言葉をもとに製作され、ファイターズはこれまでもこれからもチャレンジし続けるという想いを込めた映画なのでこのような形となりました。
ファイターズの未来や夢を語る上で、私たちが今向かっている、2023年開業のボールパークを「新たなスタート地点として夢を追うんだ」というメッセージも含め、この映画では過去から現在、未来へとひとつのシナリオとして表現しています」
――この映画はどんな方に観ていただきたいですか
「人それぞれファンになったタイミングや関わり始めたタイミングが異なるため、どこがメインターゲットかと言われると難しいのですが、スタートしたその時々で映画の見方や感じ方が違うと思っています。どんな方にも楽しんでいただきたいと思っていますので、できればファイターズに関わる全ての人に観てもらいたいです」
――この映画を通して伝えたいことはなんですか。
「ファイターズの全てです。プロ野球の試合において選手たちがどう躍動しているのかというのは、球場や映像などで見て感じていただけると思いますが、その内面と言いますか、球団に関わる人たちが、『これまでの歴史のなかで実際はどう思っていたか?』や『これからの未来をどう考えているか?』ということは、なかなか伝えられていなかったと思うんですね。そういう意味で、チャレンジをしている姿や、その想いなどを、この118分間を通して、できる限り多くのことを伝えられたらなと思っています」