松坂離脱で中日の開幕ローテどうなる? 勝ち頭移籍、怪我人多く63勝中27勝分欠く

中日・松坂大輔【写真:荒川祐史】
中日・松坂大輔【写真:荒川祐史】

昨季の勝ち頭ガルシアは阪神移籍、63勝中27勝分が不在に

 ファンに右手を引っ張られた際に右肩に違和感を訴えた中日の松坂大輔投手。その後、沖縄県内の病院で検査を受けた結果「右肩の炎症」と診断された。かかりつけのドクターによる精密検査と治療、そしてセカンドオピニオンを求めるために、13日にはキャンプから離脱。14日、15日と関東地方の病院で検査と治療を行っており、キャンプ再合流はまだ未定となっている。

 中日の与田剛監督は15日、松坂の2月中のキャッチボール再開には否定的な見解を示した。松坂はこのキャンプ、まだ一度もブルペンに入っていない。故障が癒えるまではノースローとなり、そこから再び立ち上げていくことを考えると、開幕ローテ入りは無理だろう。

 昨季右肩の故障から復活し、6勝を挙げた松坂。今季は先発ローテの一角に入ることを期待されていたが、この離脱によって構想も白紙に。それでは、現時点での中日の先発ローテは、一体どうなるのだろうか。

 昨季チームトップの13勝をマークしたガルシアが阪神に移籍し、チーム2位タイの6勝を挙げた松坂は離脱。昨季の開幕投手を務めた小笠原慎之介は左肘の遊離軟骨除去手術のリハビリ中、さらには藤嶋健人が右手血行障害で手術を受け、同じく血行障害の手術を受けた鈴木翔太も2軍でリハビリ中だ。このままだと、ガルシアの13勝、松坂の6勝、小笠原の5勝、藤嶋の3勝と昨季の63勝のうち、27勝分を欠くことになる。

 そんな中でローテの柱として期待されるのが、新助っ人のエンニー・ロメロと、昨季チーム2位タイの6勝をマークしている笠原祥太郎、そして未勝利に終わった昨季からの雪辱を期す大野雄大の3投手。この3人には2桁勝利くらいの活躍を期待したいところだ。

 ここに加わる候補となるのが、柳裕也、又吉克樹、先発に転向する福谷浩司、小熊凌祐、そしてベテランの吉見一起や山井大介のベテラン陣。昨季の勝ち星は吉見が5勝、山井と小熊が3勝、柳と又吉が2勝などとなっており、先発候補たちの昨季の合計勝利数は21勝だ。

 ロメロがガルシアの穴を仮に埋めたとしても、現有戦力が大きく成長を遂げなければ、上位躍進は厳しいと言わざるを得ない。昨季は12球団ワーストのチーム投手成績に終わった中日。松坂の離脱は痛いが、それ以上に先発、リリーフ問わず奮起がなければ、リーグ優勝は見えてこないだろう。

【主な先発候補の昨季成績】
笠原祥太郎 20試合6勝4敗0セーブ 4.14
吉見一起 20試合5勝7敗0セーブ 3.87
山井大介 10試合3勝6敗0セーブ 4.04
小熊凌祐 8試合3勝4敗0セーブ 6.23
柳裕也 10試合2勝5敗0セーブ 5.23
又吉克樹 40試合2勝5敗0セーブ 6.53
大野雄大 6試合0勝3敗0セーブ 8.56
福谷浩司 29試合0勝1敗0セーブ 5.00
エンニー・ロメロ 新加入
勝野昌慶 新加入

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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