西武榎田、「普通に投げて」51球 別メニュー調整が“怪我の功名”に!?

ブルペン投球を行った西武・榎田大樹【写真:岩国誠】
ブルペン投球を行った西武・榎田大樹【写真:岩国誠】

移籍2年目で慎重に調整「確認しながら」

 右ハムストリングの張りで別メニュー調整となっていた西武・榎田大樹投手が18日にブルペン入り。捕手をひざ立ちさせた状態ながら、変化球を交えて51球を投げた。

 実は、榎田が別メニューになってからブルペンに姿を現したのは、この日が初めてではない。

 今季初の紅白戦が行われた16日。トレーナーと小野コーチが両手を下に広げ「抑えて」というジェスチャーを見せる中、傾斜を使ったキャッチボールを20球弱行うと、翌17日には捕手を立たせてストレートのみを40球投げた。球数制限をかけての投球練習で、踏み出す右足の歩幅も抑えめにしてのものだった。

 ただ、この日は「普通に投げて」51球。「足は、走るときにちょっと不安を感じる」というが、「投げることに関しては全く問題ないです」と力強く言い切った。

 別メニュー調整になったときに、ハムストリングの張りについて「いつもこの時期に出る」と語っていたが、「休めたことでコンディションを見つめ直すことができて、逆にいいバランスで投げられるようになった」という。調整のペースを早めに抑えたことがプラスに作用した。まさに“怪我の巧妙”といったところだろうか。

 この日で宮崎・南郷キャンプが終了。西武では春季キャンプ初参加の榎田は「僕はこの流れが初めて。阪神時代は28日まで(一箇所で)キャンプだったので。2月を乗り切ってからだと思っています」と話した。ひと息つくという感覚はなく、あくまで場所が変わるだけとの思いが強い。

 開幕投手は昨年の最多勝・多和田に決まった。昨季11勝の榎田も当然、開幕ローテーションに入ってくるだろう。高知からは対外試合も増えてくるが「投げられるのであれば(試合に)入るかもしれないが、まだわからない。急に試合というのも無理なので(足の具合を)確認しながら」と明かす。目的はあくまでシーズンで成績を残すこと。自らの立場を理解した上で、移籍2年目の左腕は慎重に調整を進めている。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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