日本高野連が新潟高野連に申し入れた「再考」 投球制限への大きな一歩
『「日本高野連、頑張ってくれよという新潟からのエール」と受け取りたい』と竹中事務局長
今回の発端は、12月22日に行われた「NIGATA野球サミット2018」(主催・新潟県青少年野球団体協議会)での新潟県高野連の1試合100球の投球数制限の発表だった。
サミットでは「野球の未来とスポーツマンシップ」をテーマに、新潟からの挑戦として、新潟高野連は春季県大会での投手の投球制限導入の検討を進めていることを発信した。新潟の小学生と中学生の少年野球チーム、新潟県高野連加盟校アンケートでは障害予防の観点からの投球数制限導入に肯定的が85.2%あり、否定的の14.8%を大きく上回った。さらに「障害予防」だけでなく、「選手の出場機会増」も目的の一つになっていることも重要だ。投球数制限で先発投手が途中交代することなどで、出場が少なかった選手にも機会が訪れやすい。
「始めよう! 楽しもう! 続けよう!」をスローガンに「新潟メソッド」の普及をはじめとする新潟県青少年野球団体協議会の取り組みに、新潟県高野連も積極的に関わっていることがサミットの資料を見てもわかる。昨年10月に新潟県で行われた秋季北信越大会では、グラウンド整備中などに、「いいプレーには自然と拍手がわくグラウンドっていいよね。敵味方なく、ね!」とアナウンスされていた。これは新潟メソッドの裏表紙の一文だ。
“新潟から発信していくんだ”という姿勢、取り組み、方向性については日本高野連の理事会や各種会議でも賛意を表す意見が出された。未来の高校野球発展には避けて通れない課題を新潟が取り組んでいることに「日本高野連、頑張ってくれよという新潟からのエール」(竹中事務局長)と受け取っている。取り組まなくてはいけない課題は、新潟がかなり先行して実践しているのが現状だ。あれから、2か月。新潟から全国を動かし、有識者会議の発足に繋がったということは、“一歩前進”と捉えたい。
(松倉雄太 / Yuta Matsukura)