鷹サファテ、314日ぶり打者と対戦 フォーク多投のワケは「細かいところが…」

手術後初めて打撃投手として登板したソフトバンクのデニス・サファテ【写真:福谷佑介】
手術後初めて打撃投手として登板したソフトバンクのデニス・サファテ【写真:福谷佑介】

B組の打撃練習で打撃投手を務め、32球を投げる

 大きな一歩だった。23日、宮崎・生目の杜運動公園。ソフトバンクのB組が練習に励む第二球場のマウンドにデニス・サファテ投手の姿があった。この日B組はサンマリンスタジアムで巨人2軍と練習試合を戦うため、大部分の選手は不在。残留組としてキャンプ地に留まっていたメンバーを相手に打撃投手を務めた。

 昨年4月に股関節の変調を訴えてチームを離脱したサファテ。米国で股関節のクリーニング手術を受け、その後は母国でリハビリに励んできた。打者を相手に投げるのは、離脱前最後の登板となった昨年4月15日のロッテ戦以来、314日ぶり。久々の打者相手の投球に「約10か月ぶりに打者に投げたことが1番の収穫だね。ブルペンで投げることにも飽きてきた部分もあったので、打者相手に投げられるのは気持ち良かったし、次のステップにいける確認になったと思う」と語るサファテ本人の表情も晴れやかだった。

 B組で調整する2013年の最多安打打者の長谷川勇也外野手やドラフト3位ルーキー野村大樹内野手らを相手に32球を投げて、安打性は3本。野村に対しての4球目ではバットをへし折るシーンもあった。

 まだまだ試運転の段階で、全力での投球ではなく、最速も144キロ。それでも、サファテ自身は「満足しましたし、大きな手術をして戻ってきて、こうして投げられたことが嬉しいんだ。ここからは良くなるだけだというのは分かっているので、今日スタートしたということ。今日は打者に投げられたことで十分に満足している」と、一段階上がったことへの満足感を見せた。

 この日はストレートだけでなく、変化球も交えた。その中でもフォークを多めに投げたサファテ。これは通算234セーブをマークした「キング・オブ・クローザー」なりの調整法。「フォークを投げることによって、自分のフォーム、バランスとか細かいところがチェックできるんだ。落ち方がまとまってくれば、自分が求めているものに近づいているという確認になる。そういう意味を込めて投げました」と、その狙いを明かした。

 今後はキャンプ中に、もう1度打撃投手を務め、3月6日の西武とのオープン戦(ヤフオクD)で実戦復帰を果たすプランを描く。「これから実戦が始まって、来月の1か月が大事な1か月になってくると思うので、これからしっかりやっていきたいと思っているよ」というサファテ。シーズン開幕、そして完全復活を目指し、鷹の絶対守護神は一歩ずつ段階を上げていく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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