熱気あふれる1時間半 「もし野球好きのおっさんがデータ分析を学んだら」開講
例えば、丸選手の今シーズンの成績予想は……
今回の主なテーマとなったのは「順位予想をするために必要なデータを導き出す」。野球解説者の順位予想はデータ分析があまり活用されていない現状を踏まえ、岡田氏は「チームの得点と失点がわかれば、順位予想ができる」とまず口火を切った。
具体例としてセイバーメトリクスを発案したビル・ジェームズ氏によって生み出された、ピタゴラス勝率【勝率=得点の2乗÷(得点の2乗+失点の2乗)】を紹介。得点の重要な要素として出塁と進塁がポイントと続けた。
そしてチームの得点と失点を求めるため、チーム全選手の予測された個人成績を算出する必要があると岡田氏は言う。その予測の材料として選手の過去5年間の成績をベースとし、新しい年ほど数字の価値を重くする。そこに年齢、球場などの環境、選手のタイプ、身体情報などを加味し予測した数字が算出されていく。
個人成績予測の一例として広島からFAで巨人に移籍した丸佳浩外野手を挙げ、予測された2019年の成績は「打率.294、28本塁打」。続いて巨人外野陣の成績予測一覧が表示され「丸選手は583打席で得点は104。やはり攻撃力がありますね」と岡田氏が解説すると、「すごい……」と場内がざわめく一幕も。最終的には「丸選手の加入でチームは30点から40点得点が増加。3、4勝改善される」と予測が発表された。
一方でデータには想定にはない「ブレ要素」も存在する。その要因として岡田氏が挙げたのは「新外国人選手」「新人選手」「起用方針の変化」だった。ここで川井氏は「外国人選手の場合、海外リーグでの成績は評価できない。新人選手はプロの生活に慣れることが活躍するには不可欠」と現場の意見として解説を加えた。