鷹・本多新コーチ、試行錯誤のキャンプも「ちょっと分かるようになってきた」

数あるノックの中でも「キャッチャーフライが1番難しい」

 指導者に転身し、いきなりの1軍首脳陣への抜擢。昨季まで現役としてプレーしていた身として、コーチの難しさどこに感じているのか? 「A組には8人、9人の内野手がいます。ベテランにはそんなに教えることはないですけど、若い人に携わる時ですね。1人1人、話の受け止め方も違いますし、返ってくる答えも違います。それに対して自分がどうしていこうかな、というところで迷うところはあって。そういうところは難しいなと思っていますね」と本多コーチは言う。

 昨季までは第一線で活躍していた名内野手。これまでキャンプでは、まずはレベルアップ、コンディションの向上と、視線は己に向けられてきたが、コーチとなれば、全選手に視線を配らなければならない。それだけに「今までは自分のことだけで良かったんですけど、若い選手っていろんなものを感じて、いろんなことをしたいと思うので、そういう時は若い時を思い出してどうだったかな、というふうに思っていますね」という。

 これまでは選手として接してきたコーチの立場。コーチとしての気持ちは「ちょっと分かるようになってきたかな」と語る。「まだ1年もやっていないので。コーチになって遠慮した方がいいところはした方がいいでしょうし、出る時はズバッと出ないといけないでしょうし、そこの出たり引いたりというところでの難しさはありますね」とも。

 そして、内野守備走塁コーチとして必須の「ノック」も「難しいです」と苦笑いする。コーチ就任が決まると、オフから“自主トレ”に励んできたものの、まだ難しさを感じている。「数を打って“コレ”と思っても、次の日は(感覚が)違ったりもします。バッティングの方が難しいですけど、ノックはノックで考えさせられる時はある」。バッティングとノックは全くの別物。第一線で活躍してきたからといって、すぐにいい“ノッカー”になれるものではないという。

「全然打てないですよ。ゴロは打てたとしても、アプローチとか、間に落とすとか、そのコースを狙うとか、分かっていても出来ない時があるので難しいです。まだ試行錯誤しながらですね」と語り、数あるノック中でも「キャッチャーフライが1番難しい」という。ノックの技術向上にも励む日々を送っている。

 ソフトバンクは2日の阪神戦からオープン戦をスタートさせた。全部で16試合を戦い、そして2019年シーズンの戦いに備える。3年連続日本一を狙う今季。選手たちの働きはもちろん、“新米コーチ“として奮闘する本多コーチの姿にも注目していってもらいたい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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