現役1位は巨人上原、NPB時代のダルビッシュは驚異の数字…安定感を示す「WHIP」

2012年から活躍の場をNPBからMLBに移したシカゴ・カブスのダルビッシュ有【写真:Getty Images】
2012年から活躍の場をNPBからMLBに移したシカゴ・カブスのダルビッシュ有【写真:Getty Images】

歴代10傑は名投手が並ぶ、現役では上原が唯一のランクイン

 WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)は、投手の能力を示すセイバーメトリクス系の指標。1イニング当たりに許した安打、四球の走者数だ。

 数式は(被安打+与四球)÷投球回数。数値が小さいほうが優秀。1980年代に考案され、MLBでは公式記録になっている。WHIPは、被安打が少なく制球力が良い投手の数値が良くなる。投手の安定感を示す数値であり、WHIPが1.0を割ると非常に優秀とされる。

 しかし、近年、WHIPは「運」の所産とされる「被安打」の占める割合が大きいため、信頼性を疑問視する声も一部にある。

 防御率など投手の「率」の数字は、NPBでは2000投球回以上の投手でランキングしているが、現役では2人しか該当しないのでWHIPは1500回以上の投手のランキングとする。1500回以上は178人いる。

◯NPB通算WHIP10傑 ()は実働期間 所属があるのは現役

1 村山実 WHIP0.95(1959-1972)3050回1/3
2 野口二郎 WHIP0.96(1939-1953)3447回1/3
3 大友工 WHIP0.97(1949-1960)1591回2/3
4 稲尾和久 WHIP0.989(1956-1969)3599回
5 杉浦忠 WHIP0.993(1958-1970)2413回1/3
6 上原浩治(巨) WHIP1.008(1999-2018)1583回2/3
7 藤本英雄 WHIP1.010(1942-1955)2628回1/3
8 土橋正幸 WHIP1.02(1955-1967)2518回1/3
9 江夏豊 WHIP1.025(1967-1984)3196回
10 小山正明 WHIP1.030(1953-1973)4899回

 昭和30~40年代、阪神のエースとして活躍した村山が1位。続いて戦前からの大投手・野口、さらに巨人の技巧派エースの大友、西鉄の稲尾、南海の杉浦と続く。そうそうたる顔ぶれだ。

 1.0を割る投手は5人だが、6位には現役の上原浩治が続く。上原は昭和の大投手に迫る優秀な数字。平成に入って与四球率は上がっている中で、抜群の制球力で異彩を放っている。

NPB時代のダルビッシュは1.0以下、巨人菅野も優秀な数字

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