ロッテ永野が「広場恐怖症」公表に踏み切った思い「同じ病に悩む人の励みに」

ロッテ・永野将司【写真:荒川祐史】
ロッテ・永野将司【写真:荒川祐史】

キャンプ不参加の理由は「体調不良」とされたが、12日のヤクルト戦後に病を公表

■ヤクルト 4-0 ロッテ(オープン戦・12日・ZOZOマリン)

 ロッテの2年目左腕・永野将司投手が12日、過剰な恐怖や不安を持つ不安症のひとつである「広場恐怖症」を患っていることを公表した。

 この日、本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われたヤクルトとのオープン戦。5番手投手として8回のマウンドに登った永野。1イニングを1安打無失点に封じ、「球速はそこまで出ていませんでしたが、まっすぐでしっかりファールが取れていて、スピンの効いたボールが投げられたと思います」と今季初の1軍マウンドに手応えを感じていた。

 その後「自分から伝えたい」と永野自身の口から、不安症のひとつである「広場恐怖症」を患っており、現在治療を続けながら、プレーをしていることを明かした。

「広場恐怖症」とは、通常であれば何でもないような状況下で過剰な不安や恐怖に襲われ、症状としては、患者自身を激しい動悸などが襲う病。症例は数種類あるとされるが、永野の場合は、飛行機などの公共機関を利用し、密閉空間での長時間移動を強いられる際に発症するのだという。

「大学3年の時から(遠征では)各駅停車の新幹線しか乗れないです。飛行機に乗ったら『出られない』ってなってしまって『このまま死んでしまうんじゃないかな』と、恐怖心が襲ってきます」。そのため、昨年10月に宮崎で行われたフェニックスリーグへは、空路ではなく、陸路で移動していた。

 昨年までは薬を飲んで、その症状を抑えていたというが、薬の影響からかベストパフォーマンスを出せなくなることもあり、現在は通院での治療を行っている。「ここまで2回の治療では、1回目はカウンセリング。2回目はVRを使った疑似体験で、徐々に慣らしていく形を取っています」という。

 球団側も入団時から、永野の病気のことは承知した上でドラフト指名した。山室社長や井口監督ほか球団としても全面的に協力して一緒に克服していこうと、入団し現在に至っている。

 2月のキャンプ不参加の理由は「体調不良」としていたが、「隠すより公表し、病気を克服することで、同じ病に悩む人たちに少しでも励みになれるならば」と公表に踏み切った。「この先、どういう形になるかわかりませんが、しっかり治療していきたいと思っています」と、病を克服しプロで活躍するべく、今後は治療と並行しながら、投げ続けていく。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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