ダルビッシュ、古巣相手に好投 最速は156キロ「不安な部分が消えてきた」

カブス・ダルビッシュ有【写真:田口有史】
カブス・ダルビッシュ有【写真:田口有史】

開幕カードの相手レンジャーズに5回途中1失点5K、開幕へ順調「幸せなこと」

 カブスのダルビッシュ有投手が14日(日本時間15日)、本拠地での古巣レンジャーズ戦に先発し、5回途中4安打1失点4四死球5奪三振に抑えた。直球は最速97マイル(約156キロ)をマークしたものの、序盤は制球が定まらず、途中からスライダーが多めの配球で好投。本人も“宝刀”の出来に手応えを示した。

 初回は1死からデシールズに四球、グスマンに右前打を浴び、1死一、三塁とされたダルビッシュ。デビッドソンは空振り三振も、ペンスに右前適時打を浴びた。2回もフォーサイスには左翼線への二塁打、トッチには死球で無死一、二塁としたが、ホワイトを右飛、秋信守、デシールズを遊ゴロと後続を断ち無失点。すると、3回からスライダー中心の配球で立て直した。

 グスマン、デビッドを連続空振り三振、ペンスは捕ゴロと初めて3者凡退。4回は先頭カイナーファレファに死球を与え、最後は2死三塁とピンチを背負ったが、ホワイトは見逃し三振とここも無失点。そして、5回先頭の秋信守を四球を与えたところで降板した。

 試合後には「3回くらいからスライダーをメインにしてすごく立て直せたので、シーズンに向けてすごく良い調整になったと思います」と振り返ったダルビッシュ。直球の制球に苦しんだが、「どのピッチャーもあると思うけど、全く何もないという日もあるので。でも、今日はスライダーがあったし、いい練習になったなという感じがします」と手応えを示した。

 球数は76球まで増えてきたが「だんだん不安な部分がちょっとずつ消えてきたりとか、それによってまた課題が出てきたりとか。でも、そうやって今までずっとキャリアを過ごしてきているので。また何よりもこういうプロセスの中にいるってことが幸せなことだなって思います」と話す。昨季は故障に苦み1勝に終わったが、復活へ向けて着実に前に進んでいる。

 5回も“志願”の続投だったという。「5イニング目のマウンドに立ちたいっていうのがあって、前回は4イニング目のマウンドに立ったので。その中で前回は疲れも出てきたりとかしてましたし、今日は逆に5イニング目に上がるのがメインでした」。こう明かし、「4イニング目も前回に比べて疲れはあまり感じなかったですし、本当に1歩1歩、階段を上がっていってるかなっていう感じがします」と振り返った。

 カブスの開幕カードは28日(同29日)からの敵地でのレンジャーズ3連戦。開幕の相手だから手の内を隠したりするのか、と聞かれたダルビッシュは「僕が開幕シリーズで投げるかどうかわからないので、そんなことわからないです」と笑顔。そして、「(この日は)知ってるのがチュ(秋信守)とデシールズくらいなので。オドルとかアンドラスとか、マザーラがいたらそれはそれで楽しめたんだろうけど、今日は今日で楽しめたです」と話した。慣れ親しんだテキサスのマウンドで、復活の投球を見せることになるのだろうか。

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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