「THANK YOU ICHIRO」―“愛弟子”ゴードン、地元紙に感謝綴る異例の全面広告

ゴードンがイチローへの惜別メッセージをシアトル・タイムズに掲載【写真:木崎英夫】
ゴードンがイチローへの惜別メッセージをシアトル・タイムズに掲載【写真:木崎英夫】

イチローを“師”と仰ぐゴードン、“ラストシーン”と3000安打の写真も

 マリナーズのディー・ゴードン内野手が米国での開幕戦を迎えた28日(日本時間29日)、同日付の地元紙「シアトル・タイムズ」に“師”と仰ぐイチロー外野手への感謝を綴った全面広告を掲載した。メジャーでは、移籍した選手が古巣へのメッセージを全面広告で伝えるケースは少なくないが、引退したプレーヤーに同僚が惜別の思いを綴るのは異例だ。

「シアトル・タイムズ」に掲載された全面広告には「THANK YOU, ICHIRO.(イチロー、ありがとう)」の文字が大きく刻まれている。その上には、21日のアスレチックス戦(東京ドーム)でイチローとゴードンが抱き合う写真を配置。この試合、いったんは8回の守備に就いたイチローは、交代を告げられるとダグアウトまで走って戻り、迎えたマリナーズの選手やスタッフ一人一人と抱擁を交わした。東京ドームが大きな拍手に包まれた、イチローの感動的な“ラストシーン”だ。抱擁の輪から離れ、頭を抱えながら二塁方向に一人歩いたゴードンが、大粒の涙を流す姿もファンの心を打った。

 さらに、広告の右下にはイチローがマーリンズ時代の2016年にメジャー通算3000安打を達成した時の写真も。これもゴードンとの抱擁写真。イチローが三塁打で金字塔を打ち立てた場面で、ベンチから飛び出して真っ先に抱きついたのがゴードンだった。どちらもゴードンの背後から撮影された写真で、対照的なイチローの表情も印象的だ。

「親愛なるイチロー」でスタートする長文のメッセージは、イチローとの思い出や感謝の気持ちで埋め尽くされている。2015年にマーリンズで同僚となってからの5年間で、どれだけイチローに助けられたかも綴っており、“レジェンド”への敬意が溢れている。

 最後は「Your brother」と締めくくったゴードン。米国に帰国後、ファン感謝イベントでは「はっきり言って、最後になってほしくなかった。この5年間、毎日、彼と一緒にいたから。とても特別なシーンだった」とイチローへの思いを吐露していたが、地元紙の全面広告というサプライズで感動を呼んでいる。

(Full-Count編集部)

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