「ちょっとやり過ぎかも…」イチロー”愛弟子”が語る地元紙全面広告

ゴードンがイチローへの惜別メッセージをシアトル・タイムズに掲載【写真:木崎英夫】
ゴードンがイチローへの惜別メッセージをシアトル・タイムズに掲載【写真:木崎英夫】

“弟分”ゴードンが地元紙に感謝を綴る全面広告「気にいらなかったら、ごめんさない。でも、もうやっちゃった」

 マリナーズのディー・ゴードン内野手が米国での開幕戦を迎えた28日(日本時間29日)、同日付の地元紙「シアトル・タイムズ」に“師匠”と仰ぐイチロー外野手への感謝を綴った全面広告を掲載した。マーリンズ時代からの弟分は粋な計らいの裏側を告白している。地元紙「シアトル・タイムズ」が報じている。

 2015年からマーリンズで3年間、昨季からマリナーズでチームメートとなったゴードン。敬愛するイチローへの愛情は本物だった。「THANK YOU, ICHIRO」と題した全面広告を15年シーズン首位打者に輝いた男は地元紙に掲載した。

「親愛なるイチロー。最初に、最高の友達でいてくれて、そして、今日まで自分のお気に入りの選手でいてくれたことにありがとうと言わせてください」という一文から始まるメッセージとともに、東京ドームで2人が抱き合う写真を大きく掲載した。

 思い立ったのは21日のアスレチックスとの日本開幕戦後だったという。イチローの現役ラストゲームとなったこの試合では8回の守備時に、背番号51の交代が告げられると、ファンファーレが鳴り響いた。チームメートと抱擁を交わす中、ゴードンは深々と一礼。「ノー! カモーン」とイチローに言葉をかけられた愛弟子は笑顔で抱擁。そこから、二塁ベース近くで号泣した。

「時差ぼけのような感じだったある夜に、眠れなくて、真夜中に代理人にメッセージを送ったんだ。これがしたいんだ、と彼に伝えたんだよ」

 代理人を通じて、新聞社に3月23日に全面広告の打診を済ませたゴードン。米国ではSNSを通じて、選手たちはイチローへの思いを表明していたが、2人の師弟愛はそこに止まらなかったという。

「インスタグラムの投稿で書いたりすることは考えなかった。本当に意味のあるものにしたかった。彼はおそらく見ないだろうからね」

 異例の行動に出たゴードンだが、決断の直後にも細やかな心遣いを見せている。

「これはちょっとやり過ぎかもしれないと思ってね。だから、彼(イチロー)にメッセージを入れたんだ。『ヘイ、ちょっと色々やってしまったことがあったんだけど、もしも気に入らなかったら、ごめんなさい。でも、もうやっちゃったよ』とね」

 ゴードンはこう語ったという。記事では「ゴードンは凄まじいほどにプライベートを見せないイチローが気に入らずに、怒るのではないかと心配していた」と報じている。

 師匠は異例の感謝を素直に受け入れたという。「彼は気に入ったんだ。驚きだったよ」粋な計らいの裏側を語っていたゴードン。背番号51に対する尊敬の気持ちは本物のようだ。

(Full-Count編集部)

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