ノーモア離脱! 菊池雄星の柔軟な起用法に米注目「将来の青写真になるかも…」

マリナーズ・菊池雄星【写真:Getty Images】
マリナーズ・菊池雄星【写真:Getty Images】

マ軍は27歳左腕に中4日の先発で起用しながら途中短いイニングで先発させる方針

 マリナーズの菊池雄星投手が29日(日本時間30日)の本拠地・レッドソックス戦で米国デビュー戦を迎える。メジャーデビューとなった21日のアスレチックス戦(東京ドーム)では4回2/3を投げ、4安打2失点(自責1)。初勝利こそならなかったものの、次戦へ期待を持たせる内容だった。MLB公式サイトが選ぶ「ア・リーグ新人王予想」で3位に入るなど27歳左腕への注目度は高まりつつあるが、米国では今季の登板間の調整に注目が集まっている。

 マリナーズはオフにカノ、クルーズ、パクストン、ディアスら主力を放出し、チーム再建の真っ只中。チームは米1年目の菊池に来季以降の活躍を期待し、今季は中5日の先発をこなしながら途中短いイニングでの先発試合を含むなどメジャーに慣れることを最優先にして起用する方針だ。この独特の起用法にAP通信は「キクチはアジア人投手の適応を助ける青写真になるかもしれない」と注目している。

 野茂英雄、松坂大輔(現中日)、ダルビッシュ有、大谷翔平――。これまで日本を代表する多くの投手たちが海を渡ったが、右肘靭帯損傷などで故障に悩まされてきた。記事では「ダルビッシュはメジャーで3年プレーした後にトミー・ジョン手術を受け、2015年に全くプレーできなかった。彼は最初のレギュラーシーズン2年で合計400イニング以上投げた。マツザカは2年目の2008年に腱板の張りが出て、2009年にWBCで投げた後に何度か腕の怪我をし、最終的に肘の手術をした」と多くの日本人投手が故障に悩まさせていることを記述。この問題を“解決”しようとするのが、マリナーズが実施する菊池の起用法だという。記事では、このように言及されている。

「キクチのルーキーシーズンは、マリナーズがアジアからメジャーリーグに挑戦する投手たちをデビューシーズンに違うように扱うべきかを知るための試みであり、実験のようなものである。マリナーズはキクチのイニング数を管理し、通常通り5日毎に先発登板させるが、短い登板となる日もある。上手くいけば、この戦略は将来の青写真になるかもしれない」

「シアトルはこの実験を試みる完璧なチームだった。シアトルはキクチに両者にとって柔軟な契約を提示することができただけでなく、2019年にプレーオフ進出を目指すという幻想を抱いてもいない。キクチがメジャーに完全に適応し、マリナーズがプレーオフ進出を目指せるのは2~3年後となるであろうため、時間と我慢は必要となる」

 マリナーズが編み出した菊池起用法――。記事では球界からすでに注目を浴びている起用法で、ロッキーズのブラック監督が「今までの経験、どう対応できるかにより、特定の投手のイニング数を管理することは大変実用的だ」と語ったことを紹介している。異国からメジャーへ挑戦するたちの新たな道標となるのか注目だ。

(Full-Count編集部=AP)

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