青木宣親、ヤクルトで14年ぶりサヨナラ弾 小川監督も脱帽「改めて凄い選手」
延長12回2死で代打サヨナラ弾、青木は「守り勝った。それがあってのサヨナラ」
■ヤクルト 4-3 中日(6日・神宮)
三本間でヘルメットを高々と放り投げた。6日の中日戦(神宮)、延長12回。あと1死で引き分けの瀬戸際。ヤクルト青木宣親外野手の劇的すぎる代打サヨナラ本塁打が左翼席に消えた。
小熊の外角139キロのストレートを強振した。神宮では2005年8月26日の横浜11回戦、9回無死でサヨナラ本塁打を打っているが、それ以来14年ぶりになる。お立ち台では「狙っていたけど、本当に打てるとは思っていなかったので、めちゃくちゃ興奮した」と、頭にかけられた水を滴らせながら、ファンの絶叫に応えた。
スタメンを外れ、休養日のこの日は、ベンチで声援を送り続けた。3-2の9回、あと1死で2連勝のはずが、守護神・石山が同点適時打を許して延長に入ると、ヤクルトは防戦一方になった。極めつけは延長12回1死満塁。しかし、ハフが亀澤を三塁ゴロ併殺に仕留め、負けはなくなった。
小川監督は「ピンチヒッターで青木を使おうと狙っていたが、いくところがなかった。最後の最後でこういう結果になった。改めて凄い(選手だ)と思った」とメジャーで修羅場を踏んできた男に脱帽するしかなかった。
「12回ギリギリで守り勝った。それがあってのサヨナラ。甘い球がきたら逃さないと、(代打で)いく機会を狙って、(ベンチでも)身体を冷やさないようにした。昼間は暖かくて、半袖でいたが、冷えてきた。そこに一番気をつかった」とコンデション維持の準備を怠らないのはさすが。無制限で延長戦が行われるメジャーでの経験が生きている。
シーズン143分の1の試合だが、ヤクルトにとっての重みは大きい。小川監督は青木を称えながらも「今日の勝ちを意味あるものにするには、明日の試合をどう戦うか」と早くも前を向いていた。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)