「今のままでは結果は出ない」ヤクルト村上、2人の名コーチが語る越えるべき壁

スイングよりもブレない打撃フォームを構築中 杉村巡回コーチ語る

「1軍と2軍では投手のスピードや球威が根本的に違う。力はあるし、柔らかい打撃もできるから変化球にはある程度ついていける。だから2軍レベルでは結果も残せることができる。でも、1軍にいる現状は速い球に苦労している。速い球にも対応できる打撃フォームの構築が大事になってくる」

 連日、早出練習から村上を見続けている杉村繁巡回コーチが話す。

「良いものを持っているのは間違いない。順調にいけば、日本を代表する強打者になれる。18年、2軍で結果を残したのは、我々からすると当然のように感じる。長打も出ている。だからスイング、強く振るという部分に関しては、現状のまま伸ばしていけば良い。今、やろうとしているのは打撃フォーム」

 若手育成に定評のある杉村コーチ。山田哲人など現在、ヤクルトを背負う多くの打者を見てきた。その中でも村上の可能性には目を見張るものがものがあるという。だからこそ大事になるのが打撃フォームがブレないことだと言う。

「確固たる打撃フォームというのかな。そういうのをまずは作り上げなければいけない。打席内でタイミングを外されるのはしょうがない。どんな打者でもすべて同じタイミングで打てるはずはない。タイミングがズレても、崩れない打撃フォーム。根本的な打撃フォームが崩れなければ、しっかり対応することができる」

 長い目で見てチームを背負って立つ打者に育って欲しい。球団内での意思統一がされており、方針に沿った練習が連日、繰り返し行われている。

 練習では多くの関係者が村上の打撃をチェックしに来る。その中にヤクルトOB、怪童と呼ばれた中西太氏の姿もあった。

 「身体の軸が流れなければ、どんな球にも反応して強く打ち返せる。それだけの強いスイングがある。反応できる打撃フォームが大事や」

 言葉は短かったが、コーチ陣が指導していることを的確に表現していた。村上は大きくうなづき、再びスイングを開始した。

 188センチ97キロの恵まれた体格は松井秀喜氏にも引けを取らない。(松井氏は公称188センチ95キロ)。空振りをした時のスイング音がスタンドまで聞こえて来る。これだけ強く振れる打者はなかなか現れない。

 破壊からの創造が完成し、幹となる打撃フォームが出来上がった時、どんな打者になっているのか。今後に大きな期待をせずにいられない男は今日も神宮の杜でバットを振り続ける。

(山岡則夫 / Norio Yamaoka)

山岡則夫 プロフィール
 1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」、「躍進する広島カープを支える選手たち」(株式会社舵社)。Ballpark Time!オフィシャルページ(http://www.ballparktime.com)にて取材日記を定期的に更新中。

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