広島12年目小窪が執念のサヨナラ打「なんでも良かった。とにかく勝ちたい気持ちだけ」

広島・小窪哲也【写真:荒川祐史】
広島・小窪哲也【写真:荒川祐史】

昨季は自己最少17試合出場止まり 今季は対左腕時に三塁スタメンも「なんとか力になりたい」

■広島 3-2 中日(23日・マツダスタジアム)

 広島の小窪哲也内野手が23日の中日戦(マツダ)でサヨナラ打を放ち、チームの5連勝を決めた。

 2-2の同点で迎えた9回2死満塁。小窪の打球はしぶとく二塁手の頭を超えた。「落ちた瞬間は見えた」。ベテランにナインが一斉に駆け寄り、手荒な祝福に受ける。「怖かった」と笑顔を見せた。

「8番・三塁」でスタメン出場。5回2死の第2打席に中前打を放ったが、7回2死三塁と勝ち越しのチャンスでは遊ゴロに倒れた。そして、9回2死満塁の第4打席。2番手マルティネスの147キロ直球を右前へ落とした。会心の一打ではなかったが、「前の打席で打てなかった。なんとかこのチームの力になりたいと必死だった。(結果が良ければ)なんでも良かった。とにかく勝ちたいという気持ちだけ」と勝利への執念を口にした。

 試合前から雨が降り続き、選手だけでなく、スタンドの観客にとっても厳しいコンディションとなった。4番・鈴木が下半身のコンディション不良で今季初の欠場した一戦で今季2度目のサヨナラ勝ち。小窪は「本当にこの雨の中、大きな声援を送ってくれた人たちのためにも勝ててよかった」と、ファンに感謝した。

 抜群のリーダーシップで17年までは選手会長を務め、代打の切り札としても活躍した小窪だが、昨季はプロ入り後最少となる17試合出場だった。今季は開幕から1軍で代打だけでなく、左投手が先発の際には三塁手としてスタメン起用もされている。「自分ができることは限られているが、チームが厳しい時でも、なんとか力になりたいということしか考えていない」と小窪。リーグ連覇を達成した際には影のチームリーダーと言われた男の復活は、巻き返しへ波に乗ってきたチームの大きな力となる。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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