“平成最後”のホームは劇的サヨナラ勝ち 鷹・工藤監督は明石を称賛「大きな勝利に」

ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】

2月に腰を手術した明石、復帰まで3か月の診断も2か月で1軍昇格

■ソフトバンク 3-0 オリックス(25日・ヤフオクドーム)

 ソフトバンクが“平成最後”のホームゲームを、劇的なサヨナラ勝ちで飾った。25日、本拠地ヤフオクドームでのオリックス戦。両チーム無得点で迎えた延長10回に明石が劇的なサヨナラ3ランを放って終止符を打ち、工藤公康監督も「あそこでああいう結果を明石くんが出してくれて、チームにとって大きな勝利になった」と安堵と歓喜の笑顔を浮かべた。

 先発の大竹が8回までオリックス打線を無失点に封じる好投を見せた。だが、打線もオリックス先発の山本の前に沈黙。両チームゼロ行進が続いた。9回、内野安打と犠打、申告敬遠で1死一、二塁となり、メネセスを迎えた場面で、ソフトバンクベンチは継投を決断。「落ちる球、外に曲がる球がある右の投手の方がうてないと思った」。大竹から右の甲斐野へとスイッチした。

 甲斐野が期待に応えて、メネセスを空振り三振、続く後藤も平凡な三飛に抑えて窮地を脱した。甲斐野はデビューから11試合連続無失点の新人のプロ野球記録を樹立。延長10回は前日逆転負けを許した守護神の森が踏ん張り、チャンスを伺った。

 延長10回、先頭のデスパイネが内野安打で出塁。ここで、再びソフトバンクベンチは動く。内川に対してヒットエンドランを指示した。「内川くんの技術があれば、エンドランでもバットに当ててくれる。逆方向にも打てる。一気にサヨナラのチャンスになる一、三塁に広げたかった」。思惑通りに内川は一、二塁間を破り、無死一、三塁となった。

 最後は、2月にヘルニアの摘出手術を受け、24日に1軍復帰を果たしたばかりの明石が決勝3ランを放った。術後は復帰まで3か月の診断を受けながら、わずか2か月ほどで1軍に昇格し、今季の初安打が劇的な一発に。歓喜のバク宙でチームメートの待つ本塁へと生還した明石に対し「なかなか手術して2か月で戻ってくることはない。よくここまで短い期間で治してくれた。1軍でプレーしたいという思いが、本塁打に繋がったと思う」と称賛を惜しまなかった。

 この日が“平成最後”のヤフオクドームでのゲーム。劇的な幕切れで、節目の試合を勝利で飾った。「こういう勝ち方はチームに勢いが出るし、大きいと思います」と、工藤監督もこの1勝の意味の大きさを感じ取っていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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