菊池雄星が「ショートスタート」初体験 あらゆる方策で投手を守る米球界

27日の試合で1回限定登板したマリナーズ・菊池雄星【写真:Getty Images】
27日の試合で1回限定登板したマリナーズ・菊池雄星【写真:Getty Images】

怪我の予防と疲労軽減が狙い、初の「ショートスタート」はわずか9球で3者凡退

 マリナーズの菊池雄星投手が26日(日本時間27日)のレンジャーズ戦で、1回限定の「ショートスタート」を初体験。無安打無失点2奪三振に抑え3人を9球で終えた。

 今回の措置は、先発ローテーションを守りながら怪我の予防と疲労を軽減させるため、メジャー1年目の菊池の投球回数を定期的に短縮させるチーム方針によるものだが、先鋭的な方策についてサービス監督は「傘下のマイナーではこれまでにやっている」と説明した。

 進取の精神がしっかりと根を張るメジャーでは、柔軟な姿勢が常に戦術や調整法に反映される。今や極端な守備隊形は当たり前のものとなり、その制限に向けた議論も起こりつつある。投球に関していえば、サービス監督が触れたようにマイナーでは投手の負担軽減策を考えるチームが多い。特に高校を卒業したての若年層が多い1Aレベルではそれが顕著だ。過日、アスレチックスのマイナー関係者から「先発ローテ6人制」の話を聞いた。

 彼曰く、

「単純だが、6人なら5人ローテより1回多くブルペンで調整ができる。フォームの修正や持ち球に磨きをかける指導ができる余裕が生まれるし、もちろん肩と肘の酷使も避けられる」

 学生時代は週に1度の登板とブルペンを含め7日に2度の投球が、プロになればブルペンを含め10日に4度の投球へと一気に増える。それだけに、各チームは20歳未満の先発投手にはシーズンの投球回を100~120に規制するガイドラインが設けられているという。徐々に慣らせるソフトランディングに指導者たちの配慮は尽きない。

「ペース配分し過ぎ、探りながら行き過ぎ」…9球からいくつもの収穫を得た菊池

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