イチロー200安打、田中24勝0敗、大谷165キロ…パ平成に生まれた快挙を振り返る

西武・秋山翔吾【写真:荒川祐史】
西武・秋山翔吾【写真:荒川祐史】

内川は横浜、ソフトバンクの両リーグで首位打者を獲得

◯唐川侑己投手:平成生まれの選手として初勝利(2008年)

 1989年生まれの唐川は中田翔内野手、由規(佐藤由規)投手とともに「高校ビッグ3」と称され、地元球団のロッテに入団。2008年4月26日にプロ初先発のマウンドを踏むと、7回無失点の好投で見事に初登板初勝利を飾った。NPBでは平成生まれの選手としては初めて勝利した投手にもなり、球史に新たな1ページを刻んだ。

 2年目の2009年から先発陣の一角に加わり、2011年には12勝を挙げるなど主力投手として活躍したが、相次ぐ故障も影響して、2014年からはなかなか本領を発揮できず。2018年も序盤戦は苦しんでいたが、シーズン途中に中継ぎへ転向したことが転機に。短いイニングを任されたことで生命線だった速球の球威が復活してセットアッパーの座を手中に収め、2019年もリードした試合の8回を託され奮闘している。

◯内川聖一内野手:平成唯一の両リーグ首位打者(2011年)

 横浜在籍時の2008年、右打者としてはNPB史上最高となる打率.378を記録して首位打者に輝いた内川は、そこから3年連続で打率.310超の安定した打撃を披露し続けた。球界屈指の好打者としての地位を確立すると、2010年のオフにFA権を行使してソフトバンクへと活躍の場を移した。

 その打撃力は移籍初年度の2011年から存分に発揮され、統一球導入の影響でリーグ全体の打撃成績が下降する中でも高打率を維持。故障離脱がありながら打率.338を記録し、自身2度目の首位打者に輝いた。両リーグでの首位打者達成は、中日・ロッテなどで活躍した江藤慎一氏以来史上2人目。平成では唯一となる快挙だった。

◯田中将大投手:開幕から無傷の24連勝(2013年)

 田中は2007年の入団から2012年までの6年間で5度の2桁勝利を記録し、楽天投手陣を支える中心的な存在となっていた。そして迎えた2013年、その投球はさらに高い次元へと到達する。田中は開幕から無敵の投球を続け、ただの一度も黒星を喫することなく優勝争いを繰り広げるチームを引っ張っていく。

 ついにはレギュラーシーズン終了まで敗戦を経験しないまま最後まで投げ抜き、24勝0敗1セーブ、防御率1.27という史上類を見ない好成績を残した。シーズン24連勝、前年から継続の個人28連勝は、いずれもNPB史上最多。球団創設以来初のリーグ優勝・日本一の立役者となり、このシーズンを最後に戦いの場をMLBへと移している。

◯秋山翔吾外野手:NPB史上最多のシーズン216安打(2015年)

 現在の球界を代表するヒットメーカーのひとりとして活躍している秋山が、その打撃能力を完全開花させたのは2015年のことだった。その前年までシーズン打率.300以上を記録したことは一度もなかったが、この年は開幕から絶好調を維持。6月から7月にかけて31試合連続安打を記録するなど快調にヒットを重ねていき、マット・マートン氏(元阪神)が持つシーズン最多安打記録の更新も射程圏内に捉え始める。

 残り2試合となった段階でマートン氏が記録した214安打まで残り5本と、記録更新は微妙な状況だった。だが、秋山はこの正念場に1試合5安打という驚異的な固め打ちを見せ、一気に最多記録に並ぶ。そして、シーズン最終戦で2安打を上積みして新記録を樹立。球史にその名を刻み、リーグ屈指の好打者としての地位を確立する飛躍の1年とした。

二刀流・大谷は日本人最速の165キロをマークしメジャーでも活躍

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