ドミニカ野球から得る日本野球指導者への“提言”とは「最高のプレーを引き出すこと」
ドミニカから日本の野球指導者への提言「大リーガーもエラーする。次のプレーで最高のプレーを」
首都サント・ドミンゴ内のプログラムの練習視察した。その際、何度も何度もエラーをする選手に遭遇する。日本の指導者であれば怒号が響いているだろう。しかし、ドミニカの指導者は、その選手に対して「大丈夫、次はできるさ!」と前向きな声を何度もかけていた。
その理由を聞くと、ドミニカの指導者は「選手だけでなく、指導者も共に目指す場所は教えている彼らをメジャーリーガーになるように育てることだからだよ!」と回答。さらに「だからこそ今彼らにとって大切なのはミスをしないことではなく、その選手の最高のプレーを引き出してあげること!」と続けた。選手自身も平然と「メジャーリーガーもエラーするし、次のプレーで最高のプレーをするだけ!」と話した。
ドミニカでは、指導者が選手をリスペクトするのは当たり前。指導する際は選手の立場に目線を下りていた。だからこそ、日本で起こる指導者のハラスメント問題は一切起こらない。ドミニカの指導者に日本で起こるこの問題をぶつけると、「クレイジー! あんなに野球の強い日本にそんな問題があったなんて残念だ」と声を落とした。
ただ、ドミニカでも野球をする上で規律を守ることを重要視している。練習は必ず神への祈りから始まり神への祈りで終わる。技術指導だけに留まらず教育的な視点からの指導も怠らない。野球指導は教育的視点と技術指導が表裏一体であり、それらのバランスをどのように保つのか。日本の指導者へのメッセージとして受け取った。
(波戸謙太/Kenta Hato、山本祥平/Shohei Yamamoto)