「より長く愛される存在に」ベイスターズが球界初赤ちゃん絵本に込めた思い
絵本をきっかけに家族でコミュニケーションが生まれるように…
「やはり横浜に縁のある方に描いていただきたいと思っていました。絵本を描いていただく中でこだわった点が2つあります。1つは、主人公の球団マスコット『DB.スターマン』をかわいく描いてほしいということ。2つ目は、主な対象が0歳児の赤ちゃんなので、ストーリーよりもコミュニケーションが生まれる内容にしてほしいということ。スターマンを起こそうと大きい声で呼びかけたり、くすぐったりして、お母さん、お父さんと赤ちゃんが一緒に笑顔で楽しめるようにしたかったんです」
赤ちゃん絵本を多く手掛け、自身も6歳の子供を持つひらぎさんからも、数々のアイディアが寄せられたという。絵本の中身が形になる中、絵本の形状も細部までこだわった。
「赤ちゃんが口に入れても安心な素材にしたり、本の角を丸くしたり。お母さん、お父さんは出かけるとき、荷物が増えてしまうので、持ち歩きやすい軽さや大きさを考えたり。一般的に、絵本は表紙を開いたらタイトルが書いてあって、その次のページからお話が始まることが多いんですが、ページ数を減らすため、表紙を開いたら早速お話が始まる形にしました」
実際に絵本が出来上がった時は「うれしかったですね。頭に思い描いていた物が形になって変な感じでした」と笑う池田さんだが、それ以上にうれしかったのが、4か月児検診会場で実際に絵本を配布している様子を目にした時だったという。
「検診会場で実際に絵本を受け取って喜んでいるお母さんや、会場ですぐに読み聞かせをしている姿を見ると、本当にうれしかったですね。この絵本をきっかけにお父さんも読み聞かせに参加してくれたら、とも思いますし、横浜で生まれた子供たちにとって最初の思い出になったらすごくうれしいですね」
「恩返しではないですけど、いつもベイスターズを応援して下さる皆さんの心の栄養になるような、人生に寄り添っていけるようなアイテムやイベントをこれからも作っていければと思います」。横浜にある日常風景の1つとして球団が溶け込むように、次はどんなアイディアが飛び出すのか期待したい。