「やったもん勝ちだから」ロッテ5年目・香月の心に響いた福浦のアドバイス
2018年から福浦の自主トレに同行「本当に勉強させてもらってます」
危機感を抱いているからこそ、何があっても後悔のないように、自分がやれることはやり尽くして1日を終えるようにしている。がむしゃらに、ただ量をこなすだけの練習ではない。考えながら、工夫をしながら、技術を磨く。その姿勢を教えてくれたのは、2018年1月から自主トレに同行している福浦和也選手兼2軍打撃コーチだ。
「田村(龍弘)さんに『福浦さんの自主トレに来いよ。俺が言ってやるわ』って誘われて、福浦さんに聞きにいったら『いいよ』と。福浦さんはランニングとかウエイトとか、しっかりしますね。あの年齢でメチャメチャ走るんです。足が速いとかじゃなくて、とにかく走る。自主トレ期間は本当に勉強させてもらってます。
福浦さんに言われて一番響いたのが『やったもん勝ちだから』という言葉。練習はやったらやったらで、その分、絶対に何か自分に返ってくる。やらなかったらやらなかったで、その分が返ってくるって。量を増やすのではなくて、内容を濃くする。ただ1時間バットを振りましたじゃなくて、考えながら練習をしなさいって言われました。自分の中で響きましたね」
それまで打撃の調子が落ちれば、ただマシンに向かって打つ練習を重ねていたが、福浦のアドバイスをもらって以来、同じマシンを使った打撃練習でも打ち方を変えたり、あるいはウエイトトレーニングでの負荷を変えてみたり、頭を使って練習内容を濃くする工夫を重ねている。これに合わせて、野球に取り組む日々の姿勢にも変化が現れた。
「自分の調子に流されないようにしています。自分が打てても打てなくてもチームが勝つことが大事。去年まで、ぶっちゃけ当たり前のことができていなかったんです。自分が打ったらベラベラ喋って、打てなかったら『ハァ…』って無口になる。打てなくても、しっかり切り替えて声を出す。当たり前のことを疎かにしないようにしています」
今季から2軍打撃コーチを兼任する福浦が、常に手本として身近にいる影響は大きいかもしれない。「福浦さんは本当に何でも聞ける存在。困った時はすぐに質問させてもらっています。怒られることもありますけど」とバツが悪そうに笑うが、森にせよ、福浦にせよ、香月が先輩に恵まれたことは間違いないだろう。