大谷翔平、150キロ直撃で右手骨折はなしも…急がれる“死球回避術”の復活

投球が直撃し苦悶の表情を浮かべたエンゼルス・大谷翔平【写真:AP】
投球が直撃し苦悶の表情を浮かべたエンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

日本ハム5年間1170打席で4死球、昨季は367打席で2死球だった

■ツインズ 3-1 エンゼルス(日本時間21日・アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手は20日(日本時間21日)、本拠地ツインズ戦の8回、右手薬指に投球が直撃。苦悶の表情を浮かべてベンチへ下がった。今季初の1試合3三振で2戦連続無安打。打率.250となった。試合後、オースマス監督はレントゲン検査で骨折はなかったこと、21日(同22日)の試合出場については球団ドクター、トレーナーが患部の状態をチェックしてから決めると明かした。

 2点を追う8回先頭だった。大谷は左腕ロジャースの内角高めへ抜けてきた150キロのツーシームに反応。打ちにいった右手薬指にもろに受けた。どんな時も表情に出さない24歳が左打席付近に膝をついて苦悶の表情。ベンチから水原通訳、球団トレーナーが慌てて飛び出してきた。バットが回っていたため空振り三振となったが、大谷の負傷に球場内は騒然となった。

 試合後、オースマス監督は「骨に異常はなかった。早いうちに戻れる」と説明した。球場内のレントゲン検査で骨に異常がなかったのは唯一の救いだが、これがマイナーでの実戦を行わなかった“ぶっつけメジャー”の代償なのか。復帰2戦目となった8日(同9日)の敵地・タイガース戦では6回の第3打席で左腕・ボイドから昨年10月1日にトミー・ジョン手術を受けた右肘に死球を受けた。エルボーガード付近に受けたため事なきを得たものの、周囲を凍りつかせる一幕だった。

 日本ハム時代の5年間は1170打席でわずか4死球。昨季は367打席で2死球だった。日本ハム時代から内角の厳しい球に対して、両手を後ろに残し背中を向けて死球によるダメージを最小限に防いできたが、今季は2度も“打ちにいっての投球直撃”。左打者の大谷にとって左投手の球は出どころが右投手に比べて見えづらいとはいえ、まだ本来の打撃ではないということだろう。

 初回2死で四球を選んで8試合連続出塁をマークしたが、4回先頭の第2打席から3打席連続空振り三振。右肘手術から復帰戦となった7日敵地・タイガース戦後、大谷は「改めて怪我は良くないなと。怪我をする度に、その理解を深めていくのが唯一のいいこと」と語っていた。負傷者リスト(IL)入りは避けられそうだが、いかに故障につながる死球を防ぐか――。打者一本となる今季の新たな課題が直面したのは確かだろう。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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