西武佐野、危機救う4回零封の快投 先発を告げられたのは前日朝10時の電話

西武・佐野泰雄【写真:荒川祐史】
西武・佐野泰雄【写真:荒川祐史】

発熱した今井の代役で好投、自主トレを共に行うマリナーズ菊池から刺激

■西武 4-0 巨人(交流戦・11日・メットライフ)

 西武の佐野泰雄投手が11日の巨人戦(メットライフ)で先発し、4回1安打無失点の快投でチームの勝利に貢献した。

 この日先発する予定となっていた今井が発熱のため急遽登板を回避することになり、今季ここまでロングリリーフを中心にブルペン陣を支えてきた佐野に白羽の矢が立った。前日の朝10時に小野投手コーチからの電話で先発を告げられたという佐野。「やることは変わらない。中継ぎでやってきたことを出そうと思ってマウンドに上がった」と平常心でまっさらなマウンドに立った。

 初回はわずか6球で巨人の上位打線を料理してリズムに乗ると、3回まで打者一巡を完璧に封じる快投を見せた。4回には1死一、二塁とピンチを背負ったが、岡本を外角のチェンジアップで遊併殺に仕留め、自身の役目を最高の形で終えた。

 今シーズンにかける思いは強い。17年6月には左膝の半月板損傷に見舞われ、手術の後もリハビリ生活を余儀なくされた。翌年に実戦復帰を果たしたが、復帰後初先発となった5月のロッテ戦では2回途中7失点と打ち込まれた。その後も1軍定着とはならず、チームの10年ぶりリーグ優勝に貢献することはかなわなかった。1年ぶりの先発マウンドで結果を出した左腕は「今年はどんな形でもチームの勝ちに貢献できるところで投げたい。その中でチームが勝てば嬉しいですね」と白い歯を見せた。

 オフにはマリナーズに移籍した菊池雄星と自主トレを共にし、菊池がトレーニングに励む姿から野球に対して取り組む姿勢やマウンドでの心構えについても多く学んだという佐野。海の向こうで奮闘する菊池の姿が刺激にもなっているようだ。この日は好投も白星は2番手のマーティンについたが、先陣を切ってチームの勝利を呼び込んだ左腕は「今日は勝ちとかじゃなくて、任されたところで投げられてよかった」と充実感をにじませていた。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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