野球少年の故障を防ぎたい― 元プロが教える自宅でもできる投球フォームの練習法
元巨人、侍ジャパンチーフスコアラー・三井康浩氏の少年野球メソッド 投手編
Full-Countでは少年野球上達のための連載をスタート。元巨人で2009年WBC侍ジャパンチーフスコアラーを務めた三井康浩氏が少年野球指導の仕方をお伝えする。第2回は「投手に伝えたい正しい投げ方」です。
私は長い間、プロ野球の世界でスコアラーを務め、野球を分析してきました。そして、昨年10月から、子供の少年野球を指導しています。約30年、プロの世界に携わり、子供たちに正しい技術を身に着けてほしいなと願いながら野球を教えています。それが日本の野球界のレベルアップにつながるからです。
ピッチャーはバランス感覚を作り上げていかないといけません。体幹を意識しながら投球し、最後は片足、右投手なら左足、左投手なら右足で立つことにトライしてみてください。前回お話したタオルのシャドーピッチングと併用すると効果があります。
基本的には顔は左右に振ってはいけません。振ってしまうとボールはまっすぐ行きません。横へ行ったりします。
片足で立つことができたら、そのまま“逆再生”をしてください。投げ終わりの片足で立った状態から、元のフォームに戻る動きをします(動画参照)。“投げる”“逆再生”を何度も繰り返してみてください。力いっぱい腕を振ろうとすると顔から腕が離れてしまいますし、ひじが下がります。それが故障の原因になります。
また、体が横に振れたりすると、ボールがシュート回転したりもします。ボールが抜けるのが一番、怖いですし、肘を痛める可能性があります。まだ育成期は筋肉、骨ができていません。正しいフォームではないため、故障につながるので、それは防ぎたいですね。
片足立ち、逆再生を繰り返すことでリリースポイントも一定になります。そうするとコントロールも安定します。バランスが良くなり、体幹を使うので、当然、球も速くなります。実際にグラウンドのスローも、短い距離から始めるとちょうどいいと思います。