助っ人の同一リーグ移籍は成績アップ!? レアード、オマリー、ブランコらは成功

ブランコはDeNA移籍後に本塁打、首位打者の2冠を獲得

 2012年オフに中日からDeNAに移籍したトニ・ブランコも同じような事例だ。2009年に中日に入団していきなり本塁打王、打点王を獲得したが、2011年から故障がちとなり、2012年に契約交渉が難航し、DeNAに移籍した。

2012年(中)96試合24本塁打65打点 打率.248 OPS.851
2013年(De)134試合41本塁打136打点 打率.333 OPS1.049

 DeNAに移籍したブランコは本塁打王、首位打者の2冠を獲得する大活躍だった。

 中年以上の阪神ファンは、トーマス・オマリーを思い出すのではないか。1991年にメッツから阪神に移籍したオマリーは、1993年に首位打者を獲得するなど4年連続で3割をマーク。ヒーローインタビューで片言の大阪弁で応えて人気を博した。しかし「ホームランが少ない」ことで阪神は1994年オフにオマリーを自由契約。翌95年はヤクルトに移籍した。

1994年(神)124試合15本塁打74打点 打率.314 OPS.899
1995年(ヤ)125試合31本塁打87打点 打率.302 OPS.999

 オマリーはヤクルトに移籍して阪神時代は一度も打たなかった30本塁打をマーク。本拠地が神宮となったことも追い風となった。ヤクルトはオマリーの活躍もあり、リーグ優勝した。

 これを見るとNPBで実績を上げた外国人選手をリリースするときには「力が衰えたのか」「モチベーションの問題か」十分な検証が必要だと言うことがわかる。そしてこれらの「V字回復」した選手は、「同一リーグに移籍」という共通点がある。

 対戦する投手がほとんど変わらない「勝手知ったるリーグ」であり、気分を一新すれば再び成績を上げる可能性が高いのだ。また古巣チームと度々対戦することにも闘志をかき立てられるのだろう。

 レアードが移籍したロッテは、今季から「ホームランラグーン」が新設され、ホームランが出やすくなった。それも追い風になっただろうが、気分を一新した効果は大きいだろう。最終的にどんな成績になるか、注目したい。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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