大谷翔平、本塁打量産ペースが驚異的 松井氏超え日本人最多32発も射程圏
MLB通算148試合で32本塁打、日本人で群を抜く1試合0.216本ペース
27日(日本時間28日)のアスレチックス戦で2年連続2桁本塁打となる10号本塁打を放ったエンゼルスの大谷翔平投手。MLBデビューから2年連続2桁本塁打。大谷は日本人選手としてはかつてないハイペースで本塁打を量産している。
○日本人選手の2年目までの本塁打数ランキング。()は1年目、2年目の本塁打数と試合数。1試合あたりの本塁打数となる。
1 松井秀喜47本(16本31本/325試合)0.145本
2 井口資仁33本(15本18本/273試合)0.121本
3 城島健司32本(18本14本/279試合)0.115本
3 大谷翔平32本(22本10本/148試合)0.216本※
5 福留孝介21本(10本11本/296試合)0.071本
6 新庄剛志19本(10本9本/241試合)0.079本
7 青木宣親18本(10本8本/306試合)0.059本
8 イチロー16本(8本8本/314試合)0.051本
9 岩村明憲13本(7本6本/275試合)0.047本
10 松井稼頭央10本(7本3本/201試合)0.050本
デビューから2年連続で二桁本塁打を打ったのは、日本人MLB選手では松井秀喜、城島健司、井口資仁、福留孝介に続いて大谷翔平が5人目。大谷は1試合あたりの本塁打数が、0.216本と群を抜いている。これはフル出場すれば35本を打つペース。昨年のア・リーグで言えば9位に相当する。大谷はMLBでも屈指のペースでホームランを量産していることになる。
日本人MLB選手のシーズン本塁打記録は、松井秀喜がデビュー2年目の2004年に記録した31本だが、このときの1試合あたりの本塁打数は0.191本。松井はヤンキース最終年の2009年に142試合で28本を打ち、1試合あたりの本塁打数0.197本を記録。これまでの日本人MLB選手の最高の本塁打量産ペースだった。
今季の大谷は、44試合で10本塁打。1試合あたりの本塁打数は0.227本。3月、4月と右肘トミー・ジョン手術のリハビリのために欠場していたものの、2年目の大谷は、この記録をあっさり抜いてしまいそうな勢いだ。
大谷が所属するエンゼルスは、83試合を消化した。残り試合数は79試合もある。大谷は、6月は24試合で7本、1試合あたりの本塁打数0.291本というハイペースで本塁打を量産している。このペースで行けば、仮に大谷が75試合に出場するとすれば、本塁打を後あと22本追加できる。
シーズンでは32本となり、松井秀喜が記録した日本人の最多本塁打記録を抜く。また2年連続での総本塁打数でも、54本となり日本人MLB選手のトップに立つこととなる。2年連続20本塁打は松井秀喜が2回記録しているだけだ。
トミー・ジョン手術のリハビリのため、今季は打者専念でのプレーとなっているが、従来の日本人打者とは桁違いのスケールを見せている。二刀流復活に向けて投手としてのリハビリを続ける中、これだけの活躍を見せれば、“打者専念論”が湧き上がるのも無理は無いと思わせる。
大谷のNPBでの本塁打は、403試合で48本だった。投手としての出場試合85試合を差し引いても、318試合。1試合あたりの1試合あたりの本塁打数は、0.151本だった。MLBに移籍した大谷は、NPB時代を遥かに上回るペースで本塁打を打っている。
他の日本人強打者がMLBに行けばダウンサイジングするのとは対照的。これも異例のことだ。大谷翔平は、従来の日本人選手の常識では捉えきれないスケールの選手だということは言えるだろう。
(広尾晃 / Koh Hiroo)