日米大学野球 5回9Kの侍J森下「勢いのあるメンバー」5投手18奪三振ショー牽引
昨年に続き、初戦を5回無失点で勝利導く「若い選手たちにも自分の投球を見てもらいたい」
第43回日米大学野球選手権大会(全日本大学野球連盟、読売新聞社主催)が16日、愛媛・坊っちゃんスタジアムで開幕。侍ジャパン大学日本代表が米国大学代表を3-0で下し、先勝。今秋ドラフト候補右腕の先発・森下暢仁投手が5回2安打、毎回の9奪三振。最速151キロと好投。「昨年に引き続き、先発で勝つことができた。いい流れをつかんでいかないといけないので、しっかり結果を残そうと思っていた」と、振り返った。
初回にテンポ良く3人で片づけると、すぐに味方が援護点をくれた。森下は終始、危なげない投球を見せた。
中でも強く意識したのは「2死からの三振」だった。
「本当はもう少し球数は減らしたいのですが、打線に勢いを与えるために(2死から三振が)取れたのが良かったです。ストレート、カーブ、カットボールと全体的に思うように投げることができました」
3回は初安打を喫したが、3つのアウトをすべて三振で奪った。“2死からの三振”を体現すると、その裏、敵失から2点目が日本に入った。4回にはこの日最速の151キロをマーク。この回も最後の打者を三振に仕留めるなど、強力・米国打線を抑え、流れを渡すことはなかった。
森下は今大会で3年連続の日米大学野球の出場。昨年も初戦に先発し、5回1安打無失点の好投を見せ、勝利した。最上級生として臨むラストイヤー。「若い選手たちにも自分の投球を見てもらいたい、という思いもあります」と、日の丸への意識を高く持って、プレーしている。森下の後の6回以降を、佐藤隼輔投手(仙台大2年)、山崎伊織投手(東海大3年)、吉田大喜投手(日体大4年)、伊藤大海投手(苫小牧駒大3年)がそれぞれ1イニングを無失点に抑え、全員で18奪三振。投手陣をまとめる森下の背中が導いた完封リレー&奪三振ショーだった。
大学日本代表・生田勉監督も「日本のエース格を集めている」と、信頼を寄せる投手陣の奮投。森下も「勢いのあるメンバーがそろっている。いい雰囲気で戦えています」と、チーム力に手応えを感じている。2016年以来の勝ち越しへ向け、侍ジャパンが幸先の良いスタートを切った。
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)