甲子園のスターが多く入団した日本ハム 吉田輝、万波ら注目ルーキーの通信簿
球団史上初の育成選手として獲得した海老原は2軍で7本塁打をマーク
○福田俊投手(ドラフト7位)
1軍成績:出場なし
2軍成績:32試合 2勝2敗2セーブ 44.1回 48奪三振 防御率4.67
2023年に新球場が開場する予定の北海道北広島市に本部を置く星槎道都大学から、地元の北海道日本ハムに入団した福田投手。身長170センチ、体重74キロとプロの投手としては小柄な体格だが、球持ちの良い左のスリークォーターから投じられるボールは独特の軌道を描く。2017年秋の明治神宮野球大会では主戦投手として母校を北海道勢初の決勝進出に導いており、プロの舞台でも躍動が期待されるところだ。
2軍では貴重な左腕としてチーム2位となる32試合に登板しており、プロ1年目から多くの経験を積んでいる。防御率は4点台後半とまだ安定しているとは言えないが、イニング数を上回る三振を記録している高い奪三振力は持ち味の一つ。登板機会こそなかったが、5月末には一軍への昇格も果たしている。宮西尚生投手、公文克彦投手、堀瑞輝投手と左のリリーフは粒ぞろいだが、独特のフォームを持つ道産子左腕はその中に割って入れるか。
○海老原一佳選手(育成ドラフト1位)
1軍成績:出場なし
2軍成績:46試合 7本塁打 25打点 33安打 0盗塁 打率.220
北海道日本ハム史上初の育成選手として入団した海老原選手は、ファームで持ち前のパワーを活かした豪快なバッティングをたびたび披露。打率こそ.220にとどまっているものの、7本塁打はリーグトップと4本差。プロ1年目の育成選手という立場を感じさせない見事な長打力をプロの舞台でも示し、万波選手に次ぐチーム2位の本塁打数を記録している。
西川遥輝選手、大田泰示選手、王柏融選手、近藤健介選手といった主力がひしめく外野はかなりの激戦区だが、海老原選手が持つ長打力という武器はチームに新たな可能性をもたらしうるものだ。大学と独立リーグを経て、育成選手としてプロの門を叩いた苦労人は、支配下登録、そして一軍デビューという第一の目標に向けて、飽くなきアピールを続けている。
見事な1軍デビューを飾った吉田輝投手、1年目から持ち前のパワーを発揮している万波選手と海老原選手は初年度から活躍を見せているが、それ以外の選手たちはいずれもプロ1年目の序盤から大活躍とはいかず。プロのレベルの高さをあらためて感じるところだが、そんな中でも打撃と足で存在感を示している田宮選手や、2軍戦で登板を重ねて持ち味を発揮している生田目投手と福田投手は、早くもその才能の一端を示していると言えそうだ。
アマチュア時代に華々しい活躍を見せて注目された選手にとっても、あるいは甲子園未出場や独立リーグ経由という立場から這い上がってきた選手にとっても、プロの舞台での評価を分けるのは試合で残した結果が全て。それぞれの課題に直面しながら鍛錬を続ける若武者たちが、鎌ケ谷から北の大地へと羽ばたいていく日が来るのが、今から待ち遠しいところだ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)