「走った方がいい」盗塁成功率70%超の選手は? パ6球団の盗塁事情を分析
昨季の盗塁数がリーグ2位だった千葉ロッテは“モデルチェンジ”に成功?
2019年のパ・リーグ各球団が記録した盗塁数と、盗塁成功率は以下の通り。(数字は7月22日時点)
○2018
北海道日本ハム 盗塁98 盗塁刺24 盗塁成功率80.3%
楽天 盗塁69 盗塁刺39 盗塁成功率63.9%
埼玉西武 盗塁132 盗塁刺48 盗塁成功率73.3%
千葉ロッテ 盗塁124 盗塁刺57 盗塁成功率68.5%
オリックス 盗塁97 盗塁刺39 盗塁成功率71.3%
福岡ソフトバンク 盗塁80 盗塁刺30 盗塁成功率72.7%
○2019
北海道日本ハム 盗塁37 盗塁刺19 盗塁成功率66.1%
楽天 盗塁31 盗塁刺21 盗塁成功率59.6%
埼玉西武 盗塁94 盗塁刺30 盗塁成功率75.8%
千葉ロッテ 盗塁55 盗塁刺19 盗塁成功率74.3%
オリックス 盗塁83 盗塁刺37 盗塁成功率69.2%
福岡ソフトバンク 盗塁78 盗塁刺31 盗塁成功率71.6%
2018年にリーグトップの132盗塁を記録した埼玉西武は、2019年にもリーグ最多の94盗塁を記録。成功率も75.8%と優れた数値を残している。福岡ソフトバンクも2年連続で盗塁成功率が70%を超えており、常勝軍団ならではのそつのなさが表れている。両チームを率いる辻発彦監督と工藤公康監督は、現役時代はともにライオンズ黄金時代の中核を担った存在。そつのない走塁の源泉は、当時の緻密な野球にあるのかもしれない。
また、千葉ロッテは2018年が就任初年度だった井口資仁監督が走塁改革を推し進め、盗塁数を2017年の78から124へと激増させた。しかし、盗塁成功率は68.5%にとどまって基準点となる70%を割り込み、得点数もリーグ5位とチームの勝利にはつながらず。その反省もあってか、今季は盗塁数こそリーグ4位と減少したが、盗塁成功率は74.3%と大幅に向上。意識改革の段階を終え、より得点に直結する形を模索し始めたということだろうか。
オリックスは現役時代に4年連続で盗塁王に輝いた西村徳文新監督の下、キャッチフレーズでもある「Be Aggressive #超攻撃型」という看板に偽りのない積極的な走塁を展開。盗塁数は97盗塁を記録した昨季をさらに上回り年間3桁に届く勢いだが、その一方で盗塁死の回数もリーグトップで、成功率も.700を割り込んでいる。昨季から今季にかけての千葉ロッテと同様、今後はさらなる洗練化が図られていくのかもしれない。
北海道日本ハムは盗塁成功率が前年比で約14%下降しているが、成功率の高さで知られる西川遥輝選手が現在15盗塁と数字を伸ばせていないことが影響しているか。それもあって盗塁企図数自体が大きく減少しており、確実性の低下に伴い自重している面もあるかもしれない。楽天は盗塁数、盗塁成功率ともに2年連続でリーグ最下位だが、今季の打率と得点数はともにリーグ3位と攻撃陣は機能している。機動力よりも打力という、チーム方針の一端がうかがえるところだ。