鷹の5年目栗原が代打の切り札に 工藤監督も成長認める「そこまで彼の力が来た」
23日にプロ初本塁打を放つと、24日には決勝の適時三塁打
■ソフトバンク 5-4 ロッテ(24日・ヤフオクドーム)
ソフトバンクの栗原陵矢捕手が24日、ヤフオクドームでのロッテ戦で大きな仕事をやってのけた。同点で迎えた8回1死二塁からセンターの横を破る決勝の適時三塁打。前日にプロ初本塁打を放ったばかりの若鷹が、連日の打点でチームを勝利に導いた。
4回に同点に追いついたものの、5回以降はロッテに完全に押されていた。8回に甲斐野が満塁のピンチを何とか切り抜けた直後、ロッテは2番手として石川歩を投入した。1死から明石がヒットで出塁すると、江川に代わって栗原の名前がコールされた。前日、プロ初本塁打を放ったばかりの栗原の登場に、膨らむファンの期待。明石が盗塁を決めた後、5球目のシンカーを思い切り振り抜くと、打球は前進守備のセンターの横を抜けてフェンスまで達した。
明石が悠々と生還し、勝ち越しの適時三塁打となり「期待に応えたいという一心でした」と栗原。「(明石が)二塁に進んだからといって気持ちの変化はなかったです。元々、一二塁間に打とうと思っていました」と振り返った。
試合後の工藤公康監督は「捕手としてブルペンに行ったり、先発投手のキャッチボールの相手をしたりと忙しい中、しっかり代打の準備もして集中力を持って打席に入ってくれている」と栗原の姿勢を称え、今後も「(代打の切り札として)ここというところで使いたい。そこまで彼の力が来たんだなと思います」とした。
東京ドームでの「鷹の祭典」初戦でサヨナラ犠飛、地元の「鷹の祭典」初日にプロ初本塁打、そしてこの日の決勝打。すっかり今年の「鷹の祭典」の主役となっているが、栗原自身は「いや、北九州でやられているので自分では言えません」と、指名打者で今季初スタメン出場しながら、ノーヒットに終わった北九州での一戦のことを口にした。
控え捕手としてなかなかマスクを被る機会には恵まれないが、「今、バッティングで期待されているのなら、それに応えるだけです」と力強く言い切る姿には、少しずつ1軍の戦力としての雰囲気がにじみ出てきているようだった。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)